カテゴリー「地震と原発」の記事

2019年8月15日 (木)

嘘と裏金で世界を欺いた東京オリンピック

東京オリンピック…原子力緊急事態宣言はそのまま,嘘と裏金で世界を欺いた。

・「フクシマについて,お案じの向きには,私から保証をいたします。状況は,統御されています。東京には,いかなる悪影響にしろ,これまで及ぼしたことはなく,今後とも,及ぼすことはありません。」

・「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされています。」

・【招致委の立候補ファイル】
「7月下旬から8月にかけての東京の天候は晴れる日が多く,且つ温暖であるため,アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候です。」

・【賄賂疑惑】
「1票10万ドルで20票が集められ、成功報酬は約2億3千万円」 IOC関係者。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)は3/19の理事会で6月の任期で退任する意向を表明。同時に、国際オリンピック委員会(IOC)の委員も退任するという。フランス司法当局の捜査はどうなるのか。
 ↓
こちら(https://dot.asahi.com/wa/2019011500104.html)

[01] 世界最高水準の暑さ対策…これでもう大丈夫。朝日新聞の記事…「五輪の猛暑 観客も備えよう」(8月10日)。記事の最後,気象の専門家の言葉。「一般の人も、事前にアスリートと同じように暑さに慣れる体作りが必要」(原発も世界最高水準の安全基準で動いているしね)

おもに観客用の対策は,以下の通り。

(1)ミストタワー
(2)かぶる日傘
(3)医者のいる救護所
(4)ゲートにアサガオ
(5)涼しい休憩所
(6)土産的冷涼グッズ
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こちら(https://www.excite.co.jp/news/article/Tablo_tablo_14539/)

教えて達人!東京オリンピック酷暑観戦術
上の(1)~(6)の写真
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こちら(https://www.nikkansports.com/olympic/column/edition/news/201908070000297.html?Page=3)


[02] オープンウォータースイミング。五輪会場のお台場の海は「正直臭いです。トイレのような臭さ…」
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こちら
(https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/190812/cpd1908121203002-n1.htm)

お台場の海…未浄化下水広がる“肥溜めトライアスロン”に選手は戦々恐々。
お台場の海は「トイレみたい」ではなく,「トイレの汚染水そのもの」。
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こちら
(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260318)

[03] 競歩。東京五輪のコースを歩いた競歩選手は「全く日陰がない。脱水になってもおかしくない」として,コース変更を求めた。日陰のない皇居前を4時間も歩く。
 ↓
こちら
(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/260078)

[04] ボート競技。テスト大会が行われた海の森水上競技場(東京都臨海部)では,周囲に日差しを遮る木々や建物がない上,観客席を覆う屋根は会場整備費削減の一環として,半分に削られた。観客からも「耐えられないほどの暑さ。(観客席に)屋根が欲しい。」
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こちら
(https://www.sankei.com/sports/news/190809/spo1908090036-n1.html)

[05] マラソン
開始時刻の前倒し,遮熱舗装を試みているようだが,焼け石に水としか思えない。
(8/9,NHKニュース)道路の「遮熱性舗装」は、路面に白などの塗装を施し太陽光を反射させることで表面温度の上昇を抑える対策で、東京都や国は、オリンピックのマラソンコースを含む100キロを超える道路で整備を進めています。
熱中症の対策に詳しい東京農業大学の樫村修生教授の研究グループの調査では、「遮熱性舗装」を施した表面温度は、「通常の舗装」に比べて10度前後低くなり、これまでの国などの調査と同じような傾向でした。
しかし、高さ50センチと1メートル50センチ、それに2メートルの空間の気温を計測した結果、「遮熱性舗装」の方がいずれも平均の気温が高くなっていたことがわかりました。
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こちら
(https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190809/1000034016.html)

[06] 東京五輪ボランティアの背後に竹中平蔵氏のパソナ!
契約金額は非公表!福島瑞穂氏「パソナにはいくら払うのか。ボランティアには払わない」
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こちら
(https://yuruneto.com/tokyogorin-pasona/)

[07] 涼しげな音色で酷暑乗り切れ 新国立競技場に巨大風鈴設置
ますます素晴らしい東京五輪\(^o^)/
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こちら 【注】 虚構新聞です。
(https://kyoko-np.net/2019081401.html)

[08] 【ボランティアは無償なのに】東京五輪で富裕層向けに「最高635万円」プレミアムチケット。
京阪電車のプレミアムカーも嫌いです(^o^)
 ↓
こちら
(http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/49723)

[09] トライアスロン開始繰り上げも。酷暑によるリスク抑制へ-東京五輪。フランスの選手が熱中症の疑いで病院に運ばれた。
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こちら
(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019081500855)

[10] 馬術選手が時間変更を“警告”…東京五輪で馬がバタバタ倒れる日。馬術の東京五輪テスト大会で「猛暑で馬が心配」の声が上がっています。昨年の世界選手権代表の戸本一真選手は、「馬の反応がいつもと違った。(開始時刻を)早くしないと馬も人も危ない暑さ」と警告を発しました。
 ↓
こちら
(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/260319)


[11] 東京五輪ボランティアの過酷さ。深夜に終電で移動させた後に他のボランティアらと不眠不休で士気を高めさせ、熱中症のリスクが大幅に高まったところで、そこから炎天下で何時間もボランティアに従事させる方針
 ↓
こちら
(https://buzzap.jp/news/20190816-tokyo-olympic-volunteer-stay-up-all-night/)


[12] ボランティアは1000円。東京五輪組織委「ボランティアは得がたい経験だから交通費は独自プリカで一律1000円、宿泊費・東京までの旅費は全額自腹ね」
 ↓
こちら
(https://buzzap.jp/news/20180919-tokyo-olympic-volunteer-transportation-expenses/)
もともと東京オリンピックは7000億円で開催できると言われていて、スポンサーからの収入は900億円あれば足りるとしていた。それが、先日組織委員会が発表したところによると、国内スポンサーだけで3200億円の収入があると。ボランティアに日当も出さないで、この金はどこに消えているのか。

[13] ボランティアの暑さ対策。大会組織委員会からボランティアスタッフの暑さ対策として「お茶や水のペットボトルと塩飴を配る」という案が出されました。これに対して、ボクシングのスポーツ団体から指摘が入ったんです。「汗をかいた状態で水を大量に飲むのはよくないし、お茶なんかあげたら利尿作用でますます脱水症状になる」と。「あげるならスポーツドリンクをあげなさい」と指摘したんですね。そうしたら、組織委員会の人たちが口をあんぐりとさせてしまって……。要するに、暑さ対策についてなにも考えてないわけですよ。
 ↓
こちら
(https://wezz-y.com/archives/68378)
2020年東京五輪は“人命”を軽く扱っていないか。組織委員会とメディアが犯した罪/本間龍インタビュー

[14] パラトライアスロンでスイム中止(2019/8/17)
2020年東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会だったパラトライアスロンのワールドカップ(W杯)で、会場の水質汚染が基準値を超えたとして、スイムの中止が決まりました。

大会実行委員会によると、会場付近の水質検査で、国際トライアスロン連合(ITU)が定めている基準値の2倍を超える大腸菌が検出されたとのことです。中止となったスイムの代替として、ランとバイクのデュアスロンが行われる方針。

東京湾の水質を巡っては、昨年に東京都が実施した検査でも大腸菌が多数検出されており、開催を疑問視する声が浮上していました。

パラトライアスロン、水質悪化でスイム中止
 ↓
こちら
(https://johosokuhou.com/2019/08/17/17444/)

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2019年8月11日 (日)

ベースロード電源市場とは

◆この7月から新市場としてスタートしたばかりのベースロード電源市場(BL市場)とは
 ↓
http://www.cnic.jp/8585(原子力資料情報室)

ベースロード電源市場とは…原発と石炭火力を中心にすえた現状の電力供給構造を維持するためのもの。

問題点① 重複する市場。長期で安定した電源の確保や,旧一電(東電や関電など旧一般電気事業者)などが保有する電源へのアクセスを確保するためだけであれば,BL市場をわざわざ設立せずとも,先渡市場に対して旧一電等の電源を切り出すだけで十分に目標は達成できる。

問題点② 進まない電源開発電源切り出し。電源開発の歴史的経緯,民営化の趣旨からしても,電発電源(電源開発が保有する電源)の切り出し(売り出すこと)がまず行われ,その後に不足分を旧一電からの供出で補い,その間に再エネ促進により供給力確保を図るのが筋。

問題点③ ベースロード電源の固定化につながる。BL市場では,電源種別を指定することはできず,ベースロード電源とされる石炭火力や一般水力,原子力,地熱等を一括して取引。ベースロード電源で供給の56%を固めてしまうことになる。

問題点④ 未稼働電源の維持費も回収。未稼働電源には,新規制基準適合性審査に合格していない原発や合格しても地元の了解が得られず稼働できていない原発も含まれる。それ以外にも古くなって稼働率の落ちた石炭火力の維持費なども含まれる

◆しかも,初回取引は低調。つまり,価格も売買量も低調で,市場として機能していないのでは(旧一電が “ベースロード電源” を手放したくない態度が強く現れているでは)。

 ↓(8/9,朝日新聞の記事)

大手電力が原発や石炭火力、大型水力でつくった電気を新電力に卸す「ベースロード市場」の初めての取引が9日、実施された。取引価格は地域で大きく差が出たほか、売買は2020年度分として予定する量の3%程度にとどまった。日本卸電力取引所の発表によると、取引価格は1キロワット時あたり、北海道=12.47円▽東日本=9.77円▽沖縄を除く西日本=8.70円。売買が成立した量は設備容量で計18.4万キロワット分だった。

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非化石価値取引市場とは

◆2020年5月には新市場がスタート予定の非化石価値取引市場とは
 ↓
http://www.cnic.jp/8550(原子力資料情報室)

非化石価値取引市場とは…電力自由化にともない,電力の持つ価値が多様化している(自由化以前は電力の価値と言えば,kWhという電力量の価値のみであった)。多様化した価値のうちの一つに,CO2を排出しない「非化石」という価値がある。それを証書化した非化石価値証書が市場で取引される。証書を買った小売り電気事業者は,自社の販売電力のうち,その分だけ非化石の電力とみなすことができる。小売電気事業者のうち,年間の販売電力量が5億kWh以上の比較的大手の事業者には,2030年度に非化石電源比率を44%にする義務がある(エネルギー供給構造高度化法)。

現在,検討されている非化石証書は3種類
(1)FIT非化石証書…2018年5月から取引。グリーン電力証書,J-クレジット(再エネ由来)といった類似の証書がある中で,価格が高く,取引は低調。制度の行方が不透明。

以下の二つは,2020年5月までに取引を開始する計画。売り手は電源を持っている発電事業者(旧一電,東電や関電など旧一般電気事業者)で,買い手は小売電気事業者。

(2)非FIT非化石証書(再エネ指定あり)…大型水力や卒FIT電源などの非化石価値を証書化。
(3)非FIT非化石証書(再エネ指定なし)…原子力などの再生可能エネルギーではない非化石価値を証書化。

問題点① 不公平性
旧一電(東電や関電など旧一般電気事業者)は非化石電源比率が比較的高いのに比べて,火力が多い新電力は非化石電源比率が低い。自前の電源をほとんど持たない新電力も多い。そのため,新電力は市場から多額の非化石証書を入手しなければ,小売電気事業者に求められる非化石比率44%を達成できない。現在,検討されている非化石価値取引市場の下では,新電力は多額の負担に耐えきれず,生き残れないと言われる所以。

問題点② 原発の再稼働が前提
電力広域的運営推進機関(OCCTO)が取りまとめた「2019年度供給計画」では2028年度までの電力の需給見通しが示されている。しかし,法の定める2030年度非化石電源比率44%の目標を達成するには,2028年度時点で非化石電源,非化石証書がまったく足りない。それは,この目標を達成するには,34~37基の原発が稼働している必要があるという,到底不可能な前提にたっていることによる。現状の非化石価値取引の方向は,さらなる原発の再稼働,老朽原発の再稼働を前提にした制度設計となっている。つまり原発再稼働を後押しする制度となっているので,脱原発を前提とした制度に根本的に改める必要がある。

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容量市場とは

◆2020年から取引開始の容量市場とは
 ↓
http://www.cnic.jp/8457(原子力資料情報室)

容量市場とは…電力の安定供給に必要な発電容量を確保するため,発電所を確保する手段として,発電能力(kW)に価値を認めて取引する市場のこと。

容量市場の実態…電力自由化の下,東電や関電などの一般電気事業者(旧一電)は,自社が相対契約などで供給する義務のある需要を超える容量を維持する義務はなく,採算性の悪い発電所を次々に休廃止する選択も取りえるわけで,代替施設のないまま休廃止が行われれば,ピーク需要発生時などに容量が不足するリスクが高くなる。こうした事態を防ぐために,発電する能力(kW)に価値をつけて,事実上の補助金を支払う仕組みであり,実質的には原発,石炭火力への補助金と化す。現在,検討中の市場設計だと,容量市場の規模は1.4兆円前後となる可能性があり,これが最終的には電気料金として消費者から徴収されようとしている。

(1)容量市場で取引されるもの…kWで数える発電所の電気の発電能力が取引される。

(2)容量市場の売り手・買い手…売り手は発電所を保有する発電事業者。FITの対象として補助を受けている電源以外,すべてが対象。買い手は,電力システム改革の中で設立された電力広域的運営推進機関(OCCTO,オクト)。買い取り費用は,電気料金や託送料金として消費者が支払うことになる。

(3)価格の決まり方…競争入札で決定。OCCTOは取引を行う年から4年後と1年後の国全体の必要容量を決定し,目安価格を設定。売り手は電源ごとに入札。現在検討されている容量市場の取引開始は2020年,取引対象年は2024年。具体的な目安価格とは,例えば105.6万kWが設備容量の東海第二原発では,約98億円を容量市場から得ることができる。

数多くの問題点

(1)新設電源を建設するよりも,既存の電源を可能な限り稼働させることを強く支援する制度設計となっている。言い換えると,老朽化したり,CO2排出量が多かったりする電源であっても,限界費用が安ければ運転した方が得だと判断することを促す市場。(イギリスの容量市場では,稼働中の原発や石炭火力,LNG火力が落札し,新設の発電所は落札できていない。)

(2)太陽光・風力などの変動電源は容量としてあまりカウントされない。

(3)現状の市場設計では,老朽化して危険な原発やCO2排出量の多い石炭火力発電所ばかりが容量価値を認められることになる。新規建設は行われにくい状況にもなりえる。

(4)日本の大半の発電所は,東京電力や関西電力などの一般電気事業者(旧一電)が保有している。そうした発電所は,公共性が高いがゆえに,総括原価方式の下,公共料金として国民が様々なコストを負担して立地・建設・運転してきたもの。そうした電源を自由化したからといって,旧一電がほしいままにしてよいのか。

(5)容量市場という現状を固定する方向に強いインセンティブを持つ制度を導入することは,変革を阻害する。必要容量の予見可能性を高めて,電源の新陳代謝を促すことが必要。将来を固定する制度は導入するべきではない。

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2019年4月30日 (火)

遅れているのは「特重施設」

遅れているのは「テロ対策施設」ではなくて「特重施設」だ!

 原子力規制委員会が,2019年4/24「テロ対策施設が期限内にできなければ,その原発を止める」と言いました。報道では「テロ対策の施設」とありましたが,それを言うなら「テロ対策施設」ではなくて「特重施設」でしょう。しかも,いかにも「私たち,やってます」という規制委の宣伝臭さがいっぱいで,鼻につきます。本当に原発を止めたならば,その後で,拍手しますが。

関電の原発の期限

[1] 「重大事故等対処設備」とそのバックアップとしての「特定重大事故等対処施設(特重施設)」

▼新規制基準では,原発は,下図①の例のような重大事故等に対応するため,②のように「重大事故等対処設備」として送水車等の可搬型設備等を配備しなければならないとしている。さらに,そのバックアップとして,③の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」も設置しなければならない。

特重施設のイメージ(1)

特重施設のイメージ(2)

(図の出所は「鳥取県の原子力防災」より→こちら

▼「特重施設」が対応する事態は,①のような意図的な大型航空機衝突,テロリズムのほかにも,設計基準を超える地震, 設計基準を超える津波も想定されている。

▼「特重施設」の設置が遅れるということは,テロ対策が遅れることだけにとどまらない。マスコミは,テロ対策が遅れることだけを報道しているが,遅れるのは,テロ対策だけではない。設計基準をこえる地震対策や津波対策にも対応できないということになる。

▼マスコミが「テロ対策施設」といっているのは,本当は「特重施設」のこと!!
テロ対策が遅れるだけでなく,設計基準をこえる地震対策や津波への対応もおくれることが隠されてしまっている。関電などの加圧水型原発では,不当に猶予されてきたフィルタ付きベントもさらに遅れてしまう。「特重施設」を「テロ対策施設」と言い換えてしまうマスゴミは,犯罪的だ!

[2]  「特定重大事故等対処施設(特重施設)」とは

▼既存の中央制御室を代替する緊急時制御室や原子炉・原子炉格納容器への注水機能,電源設備通信連絡などのサポート機能を有する施設。「特重施設」は,安全対策のバックアップとして,原子炉格納容器破損防止対策をはかるもの。

▼この「特重施設」については,設置までに工事計画認可から5年の猶予期間が設けられていたが,今回,電力会社が猶予期間に間に合わないと言い出したもの。

[3] 「特重施設」の主要設備

(1) 減圧操作設備…既設の逃がし安全弁を動作させ,原子炉圧力容器内の圧力を減圧する。

(2) 注水設備…専用の水源及びポンプ等を設置し,原子炉圧力容器内及び原子炉格納容器内を冷却するために注水/スプレイする。

(3) 原子炉格納容器過圧破損防止設備(フィルタ付ベント設備)…重大事故等に対処するための設備である第1フィルタ付ベント設備に加え,専用のフィルタ付ベント設備を設置し,放射性物質を低減させながら原子炉格納容器内ガスを排気/減圧する。

(4) 電源設備(発電機)…発電所内の電源がすべて失われた場合にも,減圧操作設備,注水設備,原子炉格納容器過圧破損防止設備(フィルタ付ベント設備)等に必要な電源を供給するための,専用の発電機を設置する。

(5) 緊急時制御室…中央制御室が使用不可能で重大事故等対処設備が機能しない場合に,特重施設の減圧操作設備,注水設備,原子炉格納容器過圧破損防止設備(フィルタ付ベント設備)等の操作ができ,原子炉及び原子炉格納容器内の状態を把握するための各種パラメータの監視ができる制御室を設置する。また,中央制御室及び緊急時対策所等と連絡できる通信連絡設備を設置。

[4] 新規制基準での格納容器フィルタ付きベントの自己矛盾

(以下,この [4] は,守田敏也さんのBlog「明日に向けて」より引用しています)
こちら

▼規制委員会は本来,「テロ対策」ではなくて「重大事故対策」であるフィルターベント設置に,加圧水型原発に限って5年以上の猶予を与えました。 東電などの沸騰水型原発に比べて格納容器が大きくすぐには崩壊には至らないからだなどと説明されていますが,これもまったくの嘘。福島とタイプが違い,西日本に多い加圧水型なら批判は少なかろうと先に動かしたかったから猶予を与えたのです。

▼規制委員会は「新基準によって事故で放出される放射能量は福島の時の100分の1以下になる」と公言し「事故に際しては5キロ以遠は自宅待機した方が安全」などとも言って,原子力防災を抑圧すらしていますが,その新規制基準など適用されてないのです。

▼そもそもベントがあることがおかしい! プラントとして破産しているのだからもう止めるべきだ! ベントは「放射能を閉じ込めるための装置である格納容器を守るために放射能を外に出す」ためのものであって「格納容器の自殺装置」だからです。安全装置とは言えないのです。こんなものが必要な段階でプラントとしてアウトなのです。

[5] 自己矛盾はベントにとどまらない!!

▼「特重施設」には,水素爆発による原子炉格納容器の破損防止機能というものもある。福島第一原発では水素爆発がおこって放射能が拡散したので,それを防ぐためと称する対策。

▼そして,沸騰水型では,格納容器内を窒素ガスにより不活性化することで対応。関電などの加圧水型では,静的水素再結合器およびイグナイタを設置するという。静的水素再結合器とは,電気を使わずに水素を酸素と結合させて水素を取り除く装置。イグナイタとは,点火装置。火をつけて燃やしてしまうというわけだ。大丈夫か,それで。

[6] 電気は足りてる!!

▼たかがお湯を沸かすだけために,こんなグロテスクな設備と,市民を故郷から追い出してしまう避難計画が必須の原発が必要なのか,立ち止まって考えろ! 

▼お湯を沸かす機能だけに特化して設備をみても,原発は火力発電の効率に比べてはるかに劣っている。その上,世界は明らかに再生可能な自然エネルギーの時代。イグナイタで火遊びをしているときじゃないぞ。

[7] 特重施設の代替案

▼新聞でも報道されていたように,関電は,「特重施設」ができなくて,運転を停止させられないように,代替案を提案すると言っている。代替案も,こんな感じのものができている。
 ↓
特定重大事故等対処施設の基本要件と代替対策について
2015年10月30日
日本保全学会 原子力安全規制関連検討会…こちら

▼政府・経団連の意図の下,本当は原発推進の立場にある規制委が,どんな理屈をつけて,代替案を認めるか,みものだな。

▼今度のことで,世の中には「規制委,よくやった」という声もある。それを言うなら,本当に原発の稼働を止めてしまってから言ってくれ。マスゴミとお人好し世論は,軽く見られているよね。

[8] 日本保全学会とは

▼日本保全学会の組織・委員→こちら

▼Wikipediaによると,理事長の宮健三という人は,日本の工学者,工学博士。東京大学名誉教授。日本保全学会理事長。専門分野は原子力工学,保全工学,核融合工学,電磁構造工学。現在は原子力推進の立場から学会を中心に活動をおこなっている。

▼同じくWikipediaによると,理事の奈良林直という人は,2008年7月11日、北海道電力が主催する講演会でプルサーマルの必要性と安全性について講演を行う。2011年4月3日、テレビ朝日の番組サンデースクランブルに出演し、プルトニウムの人体に対する影響について、239プルトニウムを飲み込んだ場合の致死量は32gと主張している。「原子力村」の一員であるとしてSAPIOから批判された。「御用学者」のレッテルを貼られたと語っている。

▼奈良林直という人は,ここにも出ている。
 ↓
八幡浜市「使用済み核燃料貯蔵施設」PA講演会で、賛成派研究者は何を語ったか…こちら

[9] 特重施設の経過

▼特重施設の経過はこうだ。

・2011年3月◆東日本大震災で東京電力福島第一原発事故。
・2013年7月◆新規制基準(安全対策の新基準)を施行。特重施設についてその完成期限は2018年7月と定められた。
・2015年10月◆保全学会が「特重施設の基本要件と代替対策について」「原子力発電所の運転期間と保全活動について」を発表。
・2015年11月◆経過措置として原発ごとに原発本体の工事計画認可を得た日から5年以内の猶予期間を与えられた。規制委の安全審査の長期化を口実に猶予を獲得したか。
・2019年4月◆規制委が特重施設の設置期限をこえたら原発停止と発表。

▼「特定重大事故等対処施設」なんて名前にするから,分かりにくい。略して「特重施設」となると,何の重箱か,みたいで,なお分からない。「シビアアクシデント対処施設」とかすれば良いのにね (^o^)

[10] フィルタベント

Photo_1

▼上は保全学会のWebにあるフィルタベントの図,つまり原子炉の自殺行為の図。こんなことまでして動かすな!
なお,R/Bは原子炉建屋,FVはフィルタベントのこと。
→ 図は,こちら の下の方「7.フィルタベントシステムの構成」

▼原発は「止める,冷やす,閉じ込める」という考え方で安全を確保すると宣伝されてきた。ベントは,閉じ込めないことだから,自殺行為と言わなければならない。

[11] 関電のホームページより

▼関電は,格納容器の破損に至った場合を想定し,発電所外部への放射性物質の放出を抑制するための訓練を実施しています。虹がきれいです。
こちら

Photo_severe_accident12

 

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2019年2月 9日 (土)

原発の危険性,とりわけ老朽原発の危険性

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 老朽原発の危険性…鋼鉄がもろくなる
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◆原発は事故率が高い装置ですが,老朽化すると,重大事故の確率が急増します。高温,高圧のうえ,長い年月の間,中性子線にさらされた原子炉容器では,鋼鉄がもろくなったり,ひび割れができやすくなっています。圧力容器は交換ができないので,老朽化は深刻です。老朽原発のいくつかの危険性の中で,この「もろくなる」点は深刻です。
◆中性子が当たることによって鋼鉄は,もろくなります。鋼鉄がもろくなるということは,粘り気がなくなり,パリンと割れやすくなることです。300℃ほどのお湯を沸かしていた原子炉に,大きな地震が来て,緊急炉心冷却装置が働くと,高圧で水が注入されます。炉の鋼鉄も温度が下がります。その結果,鋼鉄が割れてしまえば,原子炉が壊れる大事故になります。
◆鋼鉄などの金属がどの程度,もろくなっているかを見る指標が,脆性遷移(ぜいせいせんい)温度です。脆性遷移温度とは,金属がしなやかな性質を失い,もろくなる性質が現れてくる温度です。金属は中性子の照射を受けると脆性遷移温度が上昇するため,原子炉の老朽化の目安とされています。原子炉の中に試験片の鋼材を入れておいて,10年ごとに取り出して,どの程度,もろくなっているか,計測するわけです。
◆脆性遷移温度が高くなると,原子炉の危険度は高まります。脆性遷移温度が高い原発,すなわちとくに危険な原発ワーストテンは,どうなっているでしょう。
(1)位は,高浜1号機…脆性遷移温度99℃。99℃より低温になると,割れやすくなる。
(2)~(5)位は,すでに廃炉(玄海1,美浜2,美浜1,大飯2)
(6)位は,高浜4号機…脆性遷移温度59℃
(7)位は,美浜3号機…脆性遷移温度57℃
(8)~(9)位は,すでに廃炉(敦賀1,福島1)
(10)位は,高浜2号機…脆性遷移温度40℃
つまり,廃炉になった6基の原発を除けば,ワーストテンに残るのは,高浜1号機,2号機,4号機,美浜3号機と,関電の若狭の原発ばかり4基です。高浜1号機は,本年で45年超え,高浜2号機は44年超え,美浜3号機は43年超えの老朽原発ばかりです。6位の高浜4号機は,2017年から再稼働されていて,プルサーマル運転もしています。
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 老朽高浜1号機の危険性…規制委の姿勢
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◆それでは,新規制基準に,脆性遷移温度の規程はあるのでしょうか。当然,あります。そして,その温度は93℃です。華氏200度を換算したので中途半端な数字になっています。このあたりは『原発は事故がなくても危険』(京都・市民放射能測定所 発行)というパンフレットの中の市川章人先生の講演録にくわしく書いてあります。
◆93℃が規程ならば,それでは,高浜1号機の99℃はアウトです。しかし,この基準は守らなくても良いのです。なぜか,この規程の適用はこれからつくる原発だけなのです。あいた口が塞がらないとは,このことです。こんなことで,老朽高浜1号機は,安全と言えるのでしょうか。
◆93℃の規程を適用しないのは,まず,安全無視も甚だしくとうてい承服できない話ですが,それでは,規制委は99℃という脆性遷移温度の安全性は,ちゃんと確かめたのでしょうか。老朽化高浜原発の再稼働に対して,規制委は,元データをちゃんと検証してから運転延長を許可したのでしょうか。
◆老朽原発廃炉名古屋訴訟で明らかになったことですが,関電は規制委に脆性遷移温度に関する元データを提出しておらず,規制委は検証もしていません。関電が「原子炉はまだ大丈夫」としているのに対して,規制委も関電の言うがままです。もちろん,関電は,裁判所にも元データは出そうとしません。
◆さらに,高浜1号機の場合,99℃という脆性遷移温度が,今後,どのように高まっていくのか,予測する必要があります。それを計算するための予測式もあります。しかし,その予測式も問題です。関電は,とにかく,当座のコストだけは安価な原発で儲けたいの一心ですから,その希望に合致する予測式を採用するに決まっているからです。現状の予測式の問題点も指摘されています。
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  老朽原発の危険性…検査にも限界
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◆老朽原発については,検査の限界も指摘されています。原発は巨大かつ複雑です。経年劣化した,金属,機器,配管,ケーブルの検査は,容易ではありません。100万kW級原発の物量は,たいへんなものです。
・ケーブルの長さ…1700km
・溶接個所…65000
・配管…170km,10000トン
・モーター…1300台
・弁…30000台
・ポンプ…360台
◆原発は,こういう巨大なシステムなので,規制委も検査は接近できる範囲のみに容認しています。たとえば,高浜原発のような加圧水型原発の場合,格納容器は「接近できる全検査可能範囲」としています。接近できないところは検査しなくて良いのです。また,接近できるところを検査しても,圧力容器などのひび割れ対策などは困難を極めます。リモートセンシングという超音波検査をしますが,技術者の技量や主観に左右されるのが普通です。
◆このあたりは,『原発はどのように壊れるか 金属の基本から考える』(小岩昌宏・井野博満 著)にくわしく書いてあります。
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 関電,うそつくな
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◆関電は,なぜ40年超え原発を動かすか,その理由を次のように言っています。日本は資源が乏しいからで,原子力は三つのE,
①エネルギー的に優れている,
②経済性がある,
③環境に良い,
という理由だそうです。
◆毎週金曜の17~19時の間,関電京都支店前で脱原発をアピールしています。そのキンカンコールに,「関電,うそつくな」というのもありますが,この三つのEは,白を黒という虚偽も甚だしく,反論する気力も失せてしまいそうです。
◆しかし,僕らは原発をやめたい。なぜ,原発廃炉かというと,日本は自然エネルギーに恵まれているのに,原子力は三つのK,環境に悪い,経済性がない,国土崩壊の可能性がある,からです。すなわち,
①原発は環境に悪い。危険な核のゴミの捨て場がありません。
②原発は経済性がない。安全対策や事故の備えのために,原発の発電単価は上がる一方です。当然備えるべき賠償金も,ちゃんと保全していません。
③原発は国土を崩壊させます。福島事故のように,住民の生活を根こそぎ奪う事故が心配です。フクシマのような事態を,日本のどこでも二度と起こしてはならないのです。
◆福島第一原発の事故の後,その多大な犠牲のうえに,原発の寿命として40年ルールを決めました。これが原則で,延ばすのは例外中の例外と,国会で言っていました。ところが現状はどうでしょうか。電力会社が40年を超えて運転したいと言えば,ろくな審査もせずに,申請は全部通すのが当たり前になっています。これが,現状です。規制委は推進委になっているわけです。原発の危険性,とりわけ老朽原発の危険性は,声を大にして言い続けていく必要があります。

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2018年11月21日 (水)

脱原発の闘い~現在の焦点

(おもに若狭の原発,関西での闘い,関電との関係で)
(2018/11/20,大飯原発差止訴訟[京都地裁]第21回口頭弁論後の報告集会の中で概略を話しましたが,その全体的な内容です。)
(以下,(1)~(3)はほとんど「若狭の原発を考える会」のチラシに依拠しています(^ ^;; → https://houteisien.wordpress.com/wakasa/

◆(1)◆脱原発の闘いの成果…原発の安全対策費は,福島事故の大きな犠牲の上に,また,反原発の闘いの故に高騰し続けている。そのため,傲慢な電力会社といえども,安全対策費がとくにかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなり,福島事故以降,女川原発1号機までで10基の老朽原発の廃炉が決定。福島第1,2を含めれば,廃炉は20基となっている。若狭では,大飯原発1,2号機の廃炉が決まっている。

◆(2)◆若狭の老朽原発再稼働…廃炉原発は増えているが,関電は来年以降,老朽原発高浜1号機(来年で45年越え),2号機(来年で44年越え),美浜原発3号機(来年で43年越え)を再稼働させ,全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしている。老朽原発の再稼働は,事故のリスクを各段に高める。老朽原発運転を阻止し,原発新設を阻止すれば,最悪でも2033年には,若狭の原発はゼロになる。もちろん,その前に重大事故が起こる可能性もあるので,原発の早期全廃を勝ち取らなければならない。
→3/24 高浜町での老朽原発再稼働阻止の集会
→5/19 大阪の関電本店前での集会

◆(3)◆使用済み核燃料の問題…若狭の原発13基がもつ使用済み核燃料貯蔵施設の7割近くが既に埋まっている。このまま原発を運転し続ければ,6年程度で貯蔵限度をこえ,原発の稼働はできなくなる。しかも,高浜原発3,4号機では,MOX(モックス)を燃料に用いる危険度の高いプルサーマル発電を行っている。MOX燃料が使用済み燃料になったとき,ウラン燃料に比べて,長期の保管を要する。関電の岩根社長は,2017年11月,使用済み核燃料の中間貯蔵施設(実は「核のゴミ捨て場」)について「2018年内に,福井県外で具体的な計画地点を見出す」と西川福井県知事に約束。しかし,年末が迫っている現在も,候補地の名前すら示すことができていない。青森県むつ市,和歌山県白浜町日置川(ひきがわ)などに画策しているとみられる。

◆(4)◆原発ゼロ基本法案…2018年3月,立憲民主党,日本共産党,自由党,社会民主党の野党4党が衆議院に共同提出。すべての原発を速やかに廃炉にすること,再生可能エネルギーの割合を2030年までに40%以上とすること,省エネなどで電気の需用量を削減すること,電力会社や立地地域の雇用や経済対策について国が必要な支援を行うこと,などがおもな内容。「野党は共闘」の一致点として大きな価値がある。最近の仮処分決定を見れば,司法の判断だけで原発を止めることは,よほどの裁判官にあたらない限り,難しいのが実情といえる。法廷での闘い,市民の運動,国会での議論と新法への世論の結集,安倍政権を倒す闘いなどの多面的な運動の中でこそ,脱原発の運動も前進する。
→3/10 バイバイ原発きょうと(円山野音)の集会

◆(5)◆関西電力の顧客離れ…2016年4月からの電力自由化(小口)により,関電から新電力に移る関電離れが増加。関電は2017年から原発再稼働にともなう大げさな値下げキャンペーンを行ったが,かつての値上げに比べると微々たるものなので,関電からの流出,新電力への移行は継続。全1200万件契約のうち,2017年8月までに100万件を超え,2018年10月末で193万件,2018年12月末には200万件が関電離れの見込み。関西では低圧の12.9%が新電力に移行(2018/5)。高圧,特別高圧の部門では,関電の「取戻し営業」が功を奏してシェアを取り戻している面はあるが,提示している価格は相当に低額とみられ,関電の利益にはあまり寄与していないとみられる。しかも,そうした営業活動は,資源エネルギー庁の「競争的な電力・ガス市場研究会 中間論点整理」などで問題視されている。→
http://www.emsc.meti.go.jp/…/emsc_stu…/pdf/180809_report.pdf
→まだまだ続いている関電宛「原発の電気は要らない署名」
 https://syomeiweb.wordpress.com/
 オンライン署名も→ https://goo.gl/eSMkLp

◆(6)◆原発賠償京都訴訟の控訴審…本年3月15日に京都地裁で出された判決は,国の中間指針が認めていない地域からの避難の相当性を認めるなど積極的な面がある一方,一部原告が避難の相当性を否認されたり,賠償額が極めて低額であるなど納得できない点があり,「避難の権利」を求めて全員で控訴。
→大阪高裁控訴審の第1回期日は,12月14日(金)10:30開廷。

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2018年8月31日 (金)

「ブルーフラッグ」の認証について

●8/18

 

Subject: 「ブルーフラッグ」の認証について

 

 

国際環境教育基金 FEE Japan 御中

 

 突然のメールで失礼いたします。

 

貴方の「ブルーフラッグ」について,意見をお送りしますので,ご検討ください。

 

 

 貴方は,水質,環境マネジメント,環境教育,安全とサービスについての基準を達成したビーチに対し「ブルーフラッグ」の認証を行っています。今年,福井県高浜町がそれらを達成したビーチとして,日本(アジア)で初めて認証されたとのことです。

 

 

 しかし,待ってください。33の基準の中に,原発との隣接,事故の危険性,放射能汚染の恐れなどの項目はありません。そして,原発事故はいつおこるか分かりません。高浜のビーチで遊んでいたら突如,避難が必要といったことになるかもしれないのです。認証には「半径250km以内に原発がないこと」といった基準が必要ではないでしょうか。

 

 

 大腸菌の心配はなくても,放射能の危険性があるところが認証されるなんて,納得できませんし,「ブルーフラッグ」の権威を損なうものだと思います。

 

 

●8/22

 

吉田 明生さま

 

 

「ブルーフラッグ」の認証についての貴重なご意見ありがとうございます。2016年に高浜町和田海水浴場が初めて認証された際も、色々なご意見をいただき、国内・国際委員会でも議題となりました。

 

 

現在のところ、和田海水浴場に合わせた新たな基準を設けることではなく、あらゆる危険性を想定した避難についての十分な準備を行っていただく事で対応していただいております。

 

 

「ブルーフラッグ」認証は環境認証でもありますが、持続可能な発展を目標としたまちづくりのためのツールであると考えております。

 

認証を与えないという選択肢もありますが、認証取得によって、より持続可能な町へ変わっていただける可能性を支援していきたいという所存です。

 

 

戴きましたご意見につきましては、10月に行われます国際会議および来年1月の国内審査委員会でも報告させていただきます。

 

 

ご理解のほど宜しくお願いいたします。

 

 

FEE Japan ブルーフラッグ事務局

 

 

●8/31

 

国際環境教育基金 FEE Japan 御中

 

ブルーフラッグ事務局 御中

 

 

 当方のメールについて,返信をいただき,ありがとうございました。

 

 

> 戴きましたご意見につきましては、10月に行われます国際会議および来年

 

> 1月の国内審査委員会でも報告させていただきます。

 

 

という点は,よろしくお願い申し上げます。ただ,当方としては納得できる回答ではありませんので,再度,メールをさしあげます。

 

 

 原発からは,事故が起こっていない平常時でも,ガスやトリチウムなどの放射性物質が大気中や海に放出されています。それらはいわゆる「基準値以下」とされていますが,原発に近い地域では,そうでないところに比べて汚染があるのは確かです。大腸菌がなくても,トリチウムが漂っているというのが,「ブルーフラッグ」にふさわしいかどうか,評価の基準を明示するよう検討されるべきだと思います。貴方はとくに厳しい環境基準を運用されているはずです。

 

 

 いったん大きな事故が起こったときには,非難しなければ被曝してしまいますが,現在の避難計画は,住民が中心で観光客はきちんと位置づけられていません。

 

 

 「ブルーフラッグ」が掲げている「美しい海を守っていく」という認定に疑念をもたれるようでは,貴方の存在意義にも関わることだと思います。添付の写真は,高浜町ではなくて,美浜町(美浜原発)や敦賀市(もんじゅ)の海水浴場の写真です。もしも,美浜町の海が貴方の現在の基準に達していれば,「ブルーフラッグ」に認定されて,写真のようなサイケデリックな光景が出現するわけです。それで良いのでしょうか。

 

 

 高浜町が持続可能な町へ発展していくことは,もちろん異議がありません。しかし,そのためには,原発から脱却することがまず第一であることを示していくことが,貴方の役割だと思います。

Mihama_2018

 

 



Monju_2018

 

 


(写真は池田豊さま撮影。2018年)

 

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2018年3月16日 (金)

2018/3/15 原発賠償京都訴訟の判決と,大飯原発差止訴訟

◆私たち京都脱原発弁護団・原告団が京都地裁に大飯原発差止を提訴したのは2012年11月ですから,すでに5年以上が経ちました。この間,原告団の事務局長を担当してきて思うのは,今の原発問題の課題と運動は,多方面に及んでいるという実感です。
 
◆原発が過疎地に立地し,大都市の際限ない電力消費に奉仕してきた差別構造は,福島第一原発事故の後,ますます明白になっています。立地地域にとどまりがちであった原発反対の住民運動は,福島第一原発事故の後,大都市での原発反対の市民運動や,大電力会社関電などへの抗議行動と結びつくようになりました。
 
◆原発には科学技術的な安全性の課題が根深くあるわけですが,それは「国民の生存権」という基本的人権にまで及んでいます。そして,それは,原発立地現地の住民運動,大都市消費地域での市民運動,各地の原発運転差し止め訴訟で問われています。全国の原発運転差し止め訴訟では,弁護士や研究者など専門家の熱意と知恵を結集した法廷闘争がくりひろげられ,多くの市民の参加と注目を集めています。そして,現実に運転差し止めが実現するような成果もあげています。
 
◆原発に反対する運動には,立地現地の住民運動,消費地域の市民運動,原発運転差し止め裁判というという三つの面の闘いがあるわけですが,その底辺を支えているのが,全国の原発賠償訴訟だと思います。率先避難者として全国に避難した方々,政府の指定区域外でも自らの判断で避難した方々らの涙と苦痛を目の当たりにして,私たちは原発事故のとてつもない非人間性をまっすぐに理解できるわけです。京都やどの地域も,第二の福島にさせない,これがすべての運動の基礎だと思います。
 
◆福島第一原発事故では,行政は勝手な線引きで被災者,避難者に差別を持ち込んできました。避難の権利を行使した率先避難者に対し,避難者としてカウントしないこと,住宅保障の打ち切り,汚染地域への帰還強要などペナルティが課されています。しかし,全国各地で行政と東京電力の責任を問う裁判と運動が進展してきました。また,国連の人権理事会でアピールする運動も進んでいます。
 
◆そして,原発賠償京都訴訟は,3月15日,判決に至りました。京都地裁の判決は,避難の相当性を認めて80点(川中宏弁護団長)とのことで,不十分な点もありつつ,これまでの原告の皆さまの奮闘が大きく実った内容だと思います。国の責任を認め,千葉,茨城,栃木など避難指示がない区域からの「自主避難者」の賠償を広く認めて,賠償を命じた点はとくに評価できると思います。
 
◆原発に反対する立地現地,消費地域,裁判所での闘いは,政府や電力会社の経営にも影響をあたえています。原発に反対する世論はつねに多数派を保っています。政府や原子力規制委員会は原発再稼働に熱心ですが,現在,動いている原発は,川内原発2号機,高浜原発3・4号機,そして,昨日再稼働された大飯原発3号機の4機だけです(伊方原発3号機は2017年12月の広島高裁仮処分決定で停止中。川内1号機は1月末から定期点検に入っています)。
 
◆政府は,原発再稼働,核燃料サイクルと再処理,原発輸出を推進していますが,東芝,日立,三菱など原子炉メーカーの経営とともに混迷を深める一方で,日立の原発輸出への債務保証など不透明な癒着を深めています。核のごみ処理もまったく見通しがありません。原発は電気をつくるだけでなく,莫大な放射性廃棄物もつくっています。原発の電気で儲け,廃棄物処理は国民負担にする構造に対し,さらに追及の手が必要です。東電や関電は,電力自由化の下,顧客離れに苦しんでいます。とりあえずすぐにでも新電力に移行しましょう。
 
◆私たち京都地裁の大飯原発差止訴訟には仮処分のような即効性はありませんが,関西電力の設定する基準地震動への疑問と,事故が起こった際の避難困難性などについて,着々と主張を積み重ねています。直近では1月16日に第18回口頭弁論がありました。被告関西電力は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めたうえで,地域特性を十分に把握できているため,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。
 
◆また実施された調査結果は「科学技術を冒涜する所作」以外の何物でもないといえるほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価していることを明らかにしました。これって,森加計方面で今はやりの改ざんといってもよいものです。
 
◆次回の第19回口頭弁論は,3月27日火曜日,14時からです。抽選券配布は,13時25分から40分までです。多くの皆さまが傍聴席を埋めていただきますよう,お願いします。開廷前には定例のデモを行っています。
 
◆3月14日,大飯原発3号機が再稼働されてしまいましたが,昨年末には関電が老朽大飯原発1・2号機の廃炉決定をしたことは,私たちの運動の勝利といえます。安全対策費が膨大になり,経済的合理性からみて,ペイしなくなったのです。私たちは,原発の科学技術的な課題(安全性),倫理的問題(将来への核のゴミつけ回し,電力多消費型社会への批判)を追及しつつ,経済合理性から見て原発が産業として成立しないことも法廷で追及しています。
 
◆2016年4月以来の電力自由化の下,原発に依存する電力会社の経営は厳しさを増しています。関電は,小口で毎月,6万件から7万件の顧客を失い続けています。昨年末には,小口契約の10%をこえる120万件が関電との契約を変更しました。大口でも,京阪電車をはじめ,関電離れが進んでいます。関電の電力販売量は長く東電につづく第2位でしたが,昨年は中部電力に抜かれて,第三位に転落しました。
 
◆苦境の電力会社を守るために,政府は,新電力利用者にも原発コストを負担させたり,送配電料金の一部として送配電とはまったく関係のない福島事故の処理廃炉費用もぐり込ませようと企んでいます。原発を維持するための電力料金のからくりをあばき,新電力への移行をうながす「原発の電気はいらない署名@関西」の運動も重要になっています。
 
◆京都脱原発原告団は,原発賠償京都訴訟の原告の皆さんとともにあります。今後さらに多面的な運動をめざしたいと思っています。ともに奮闘していきましょう。

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2017年6月 2日 (金)

福島第一原発事故の責任者

福島第一原発事故の責任者は誰だ!
責任をとれ!
刑事裁判の初公判は6月30日
 
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◆福島原発刑事訴訟
 
  「福島原発告訴団」(現在は「福島原発 刑事訴訟 支援団」)は,福島第一原発事故を起こし被害を拡大した責任者たちの刑事裁判を求め,2012年6月に33名と1社(法人としての東京電力株式会社)を告訴しました。その後,検察庁の全員不起訴(2013年9月)→検察審査会で3名が起訴相当(2014年7月)→検察庁は再度不起訴(2015年1月)→検察審査会の再度の起訴議決(2015年7月)により,3名の強制起訴が決定しました。その被疑者は,勝俣恒久,武黒一郎,武藤栄です。指定弁護士が起訴状を提出して起訴(2016年2月)し,刑事裁判の初公判期日は,本年6月30日となりました。
 
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◆「福島原発告訴団」2012年告訴の33名
 
  原発事故を起こし被害を拡大させた責任をただすための告訴です。なお,福島原発告訴団は「菅直人元首相」,「枝野幸男元官房長官」,「海江田万里元経済産業相」を告訴していません。(以下の「現」は告訴当時)
 
[1] 国(行政機関の職員15名)
 
(1)経済産業省原子力安全保安院(3名)
  ・院長………寺坂信昭
  ・元院長……松永和夫(現・経済産業省事務次官)
  ・同…………広瀬研吉(現・内閣参与)
 
(2)原子力安全委員会(7名)
  ・委員長…班目春樹
  ・前委員長…鈴木篤之(現・日本原子力研究開発機構理事長)
  ・委員………久木田豊(同委員長代理)
  ・同…………久住静代
  ・同…………小山田修
  ・同…………代谷誠治
  ・専門委員…衣笠善博(東京工業大学名誉教授)(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会の地震・津波・地質・地盤合同ワーキンググループサブグループ「グループA」主査など)。日本中のほとんどすべての原発の審査に関わり,志賀原発の審査では一つながりの活断層を無理矢理3つに分けて評価し,想定地震規模を過小評価したと指摘され,活断層カッターの異名をもつ。
 
 (3)原子力委員会(1名)
  ・委員長……近藤駿介
 
 (4)文部科学省 (4名)
  ・坂東久美子…前文部科学省生涯学習政策局長(現・同省高等教育局長)
  ・山中伸一……前文部科学省初等中等教育局長(現・文部科学審議官)
  ・合田隆史……前文部科学省科学技術政策局長(現・同省生涯学習政策局長)
  ・布村幸彦……前文部科学省スポーツ・青少年局長(現・同省初等中等教育局長)
 
[2] 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの放射線専門医(3名)
 
・山下俊一……福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長,日本甲状腺学会理事長)
  ・神谷研二……福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長,広島大学原爆放射線医科学研究所長)
  ・高村 昇……福島県放射健康リスク管理アドバイザー(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)
 
[3] 東京電力取締役ら役員(15名)(★は強制起訴された3名)
 
(1)東京電力の経営陣のトップとして安全対策をせずに原子力事業を推進した責任者(7名)
 
  ★勝俣恒久……取締役会長
  ・西澤俊夫……取締役社長
  ・清水正孝……前取締役社長
  ・相澤善吾……元常務取締役 取締役副社長,原子力立地本部長
  ・田村慈美……元取締役会長
  ・南直哉………元取締役社長
  ・荒木浩………元取締役会長
 
(2)東京電力の原子力立地本部長ないし副本部長など東京電力の中で,職務上福島第一の安全対策をすすめる立場にあった役員ら(8名)
 
  ・皷(つづみ)紀男………取締役副社長・元原子力立地本部副本部長
  ・小森明生……常務取締役・元原子力立地本部副本部長
  ・藤原万喜夫…常任監査役・監査役会会長・元原子力立地本部副本部長
  ★武藤栄………元副社長・元原子力立地本部副本部長
  ★武黒一郎……元副社長・元原子力立地本部本部長
  ・服部拓也……元副社長・元原子力本部副本部長
  ・榎本聰明……元常務取締役・原子力本部本部長
  ・吉田昌郎……元執行役員,前東京電力福島第一原発所長
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◆「福島原発告訴団」2015年告訴の9名
 
 「福島原発告訴団」による第二次告訴で,津波対策をつぶした規制当局の官僚や電力関係者の刑事責任を問うものです。2015年1月告訴→検察庁は同年4月に全員不起訴→検察審査会へ。ただし,検察審査会は2016年4月に検察庁の不起訴を支持し,起訴には至りませんでした。
 
① 酒井俊朗……東京電力株式会社の福島第一原発の津波対策の検討実施に当たっていた
② 高尾誠………同上
③ 西村某………同上
④ 森山善範……2008年~2009年当時,保安院原子力発電安全審査課長,ついで保安院審議官,文科相大臣官房審議官,保安院原子力災害対策官(併任),(独)原子力安全基盤機構総括参事,(独)日本原子力研究開発機構執行役,同理事(現在)
⑤ 名倉繁樹……保安院原子力発電安全審査課審査官(当時),原子力規制委員会安全審査官
⑥ 野口哲男……保安院原子力発電安全審査課長(当時),保安院主席統括安全審査官,(独)原子力安全基盤機構企画部長
⑦ 原昭吾………保安院原子力安全広報課長(実質的に人事権を有する)の立場にあった者(当時),保安院関東東北産業保安監督部長,保安院原子力災害現地対策本部統括班
⑧ 氏名不詳……原子力安全委員会の津波対策担当者
⑨ 氏名不詳……電事連の津波対策担当者
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◆原発メーカー訴訟
 
  福島第一原発事故の責任は,原子炉をつくった原発メーカーにもあるはずです。製造物責任を問われるべきです。原発メーカー訴訟は,福島第一原発の原子炉を造ったメーカーであるGE,東芝,日立を被告として,原発事故の責任を問う裁判ですが,2016年7月,東京地裁は原告の請求を認めない判決を言い渡しました。原発事故の賠償責任を電力会社にだけ負わせる原賠法は,原発のメーカーを不当に守るものです。原告団・弁護団は,過酷事故をおこした原発メーカーの責任をさらに追求しています。
 

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