カテゴリー「地震と原発」の記事

2019年4月30日 (火)

遅れているのは「特重施設」

遅れているのは「テロ対策施設」ではなくて「特重施設」だ!

 原子力規制委員会が,2019年4/24「テロ対策施設が期限内にできなければ,その原発を止める」と言いました。報道では「テロ対策の施設」とありましたが,それを言うなら「テロ対策施設」ではなくて「特重施設」でしょう。しかも,いかにも「私たち,やってます」という規制委の宣伝臭さがいっぱいで,鼻につきます。本当に原発を止めたならば,その後で,拍手しますが。

関電の原発の期限

[1] 「重大事故等対処設備」とそのバックアップとしての「特定重大事故等対処施設(特重施設)」

▼新規制基準では,原発は,下図①の例のような重大事故等に対応するため,②のように「重大事故等対処設備」として送水車等の可搬型設備等を配備しなければならないとしている。さらに,そのバックアップとして,③の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」も設置しなければならない。

特重施設のイメージ(1)

特重施設のイメージ(2)

(図の出所は「鳥取県の原子力防災」より→こちら

▼「特重施設」が対応する事態は,①のような意図的な大型航空機衝突,テロリズムのほかにも,設計基準を超える地震, 設計基準を超える津波も想定されている。

▼「特重施設」の設置が遅れるということは,テロ対策が遅れることだけにとどまらない。マスコミは,テロ対策が遅れることだけを報道しているが,遅れるのは,テロ対策だけではない。設計基準をこえる地震対策や津波対策にも対応できないということになる。

▼マスコミが「テロ対策施設」といっているのは,本当は「特重施設」のこと!!
テロ対策が遅れるだけでなく,設計基準をこえる地震対策や津波への対応もおくれることが隠されてしまっている。関電などの加圧水型原発では,不当に猶予されてきたフィルタ付きベントもさらに遅れてしまう。「特重施設」を「テロ対策施設」と言い換えてしまうマスゴミは,犯罪的だ!

[2]  「特定重大事故等対処施設(特重施設)」とは

▼既存の中央制御室を代替する緊急時制御室や原子炉・原子炉格納容器への注水機能,電源設備通信連絡などのサポート機能を有する施設。「特重施設」は,安全対策のバックアップとして,原子炉格納容器破損防止対策をはかるもの。

▼この「特重施設」については,設置までに工事計画認可から5年の猶予期間が設けられていたが,今回,電力会社が猶予期間に間に合わないと言い出したもの。

[3] 「特重施設」の主要設備

(1) 減圧操作設備…既設の逃がし安全弁を動作させ,原子炉圧力容器内の圧力を減圧する。

(2) 注水設備…専用の水源及びポンプ等を設置し,原子炉圧力容器内及び原子炉格納容器内を冷却するために注水/スプレイする。

(3) 原子炉格納容器過圧破損防止設備(フィルタ付ベント設備)…重大事故等に対処するための設備である第1フィルタ付ベント設備に加え,専用のフィルタ付ベント設備を設置し,放射性物質を低減させながら原子炉格納容器内ガスを排気/減圧する。

(4) 電源設備(発電機)…発電所内の電源がすべて失われた場合にも,減圧操作設備,注水設備,原子炉格納容器過圧破損防止設備(フィルタ付ベント設備)等に必要な電源を供給するための,専用の発電機を設置する。

(5) 緊急時制御室…中央制御室が使用不可能で重大事故等対処設備が機能しない場合に,特重施設の減圧操作設備,注水設備,原子炉格納容器過圧破損防止設備(フィルタ付ベント設備)等の操作ができ,原子炉及び原子炉格納容器内の状態を把握するための各種パラメータの監視ができる制御室を設置する。また,中央制御室及び緊急時対策所等と連絡できる通信連絡設備を設置。

[4] 新規制基準での格納容器フィルタ付きベントの自己矛盾

(以下,この [4] は,守田敏也さんのBlog「明日に向けて」より引用しています)
こちら

▼規制委員会は本来,「テロ対策」ではなくて「重大事故対策」であるフィルターベント設置に,加圧水型原発に限って5年以上の猶予を与えました。 東電などの沸騰水型原発に比べて格納容器が大きくすぐには崩壊には至らないからだなどと説明されていますが,これもまったくの嘘。福島とタイプが違い,西日本に多い加圧水型なら批判は少なかろうと先に動かしたかったから猶予を与えたのです。

▼規制委員会は「新基準によって事故で放出される放射能量は福島の時の100分の1以下になる」と公言し「事故に際しては5キロ以遠は自宅待機した方が安全」などとも言って,原子力防災を抑圧すらしていますが,その新規制基準など適用されてないのです。

▼そもそもベントがあることがおかしい! プラントとして破産しているのだからもう止めるべきだ! ベントは「放射能を閉じ込めるための装置である格納容器を守るために放射能を外に出す」ためのものであって「格納容器の自殺装置」だからです。安全装置とは言えないのです。こんなものが必要な段階でプラントとしてアウトなのです。

[5] 自己矛盾はベントにとどまらない!!

▼「特重施設」には,水素爆発による原子炉格納容器の破損防止機能というものもある。福島第一原発では水素爆発がおこって放射能が拡散したので,それを防ぐためと称する対策。

▼そして,沸騰水型では,格納容器内を窒素ガスにより不活性化することで対応。関電などの加圧水型では,静的水素再結合器およびイグナイタを設置するという。静的水素再結合器とは,電気を使わずに水素を酸素と結合させて水素を取り除く装置。イグナイタとは,点火装置。火をつけて燃やしてしまうというわけだ。大丈夫か,それで。

[6] 電気は足りてる!!

▼たかがお湯を沸かすだけために,こんなグロテスクな設備と,市民を故郷から追い出してしまう避難計画が必須の原発が必要なのか,立ち止まって考えろ! 

▼お湯を沸かす機能だけに特化して設備をみても,原発は火力発電の効率に比べてはるかに劣っている。その上,世界は明らかに再生可能な自然エネルギーの時代。イグナイタで火遊びをしているときじゃないぞ。

[7] 特重施設の代替案

▼新聞でも報道されていたように,関電は,「特重施設」ができなくて,運転を停止させられないように,代替案を提案すると言っている。代替案も,こんな感じのものができている。
 ↓
特定重大事故等対処施設の基本要件と代替対策について
2015年10月30日
日本保全学会 原子力安全規制関連検討会…こちら

▼政府・経団連の意図の下,本当は原発推進の立場にある規制委が,どんな理屈をつけて,代替案を認めるか,みものだな。

▼今度のことで,世の中には「規制委,よくやった」という声もある。それを言うなら,本当に原発の稼働を止めてしまってから言ってくれ。マスゴミとお人好し世論は,軽く見られているよね。

[8] 日本保全学会とは

▼日本保全学会の組織・委員→こちら

▼Wikipediaによると,理事長の宮健三という人は,日本の工学者,工学博士。東京大学名誉教授。日本保全学会理事長。専門分野は原子力工学,保全工学,核融合工学,電磁構造工学。現在は原子力推進の立場から学会を中心に活動をおこなっている。

▼同じくWikipediaによると,理事の奈良林直という人は,2008年7月11日、北海道電力が主催する講演会でプルサーマルの必要性と安全性について講演を行う。2011年4月3日、テレビ朝日の番組サンデースクランブルに出演し、プルトニウムの人体に対する影響について、239プルトニウムを飲み込んだ場合の致死量は32gと主張している。「原子力村」の一員であるとしてSAPIOから批判された。「御用学者」のレッテルを貼られたと語っている。

▼奈良林直という人は,ここにも出ている。
 ↓
八幡浜市「使用済み核燃料貯蔵施設」PA講演会で、賛成派研究者は何を語ったか…こちら

[9] 特重施設の経過

▼特重施設の経過はこうだ。

・2011年3月◆東日本大震災で東京電力福島第一原発事故。
・2013年7月◆新規制基準(安全対策の新基準)を施行。特重施設についてその完成期限は2018年7月と定められた。
・2015年10月◆保全学会が「特重施設の基本要件と代替対策について」「原子力発電所の運転期間と保全活動について」を発表。
・2015年11月◆経過措置として原発ごとに原発本体の工事計画認可を得た日から5年以内の猶予期間を与えられた。規制委の安全審査の長期化を口実に猶予を獲得したか。
・2019年4月◆規制委が特重施設の設置期限をこえたら原発停止と発表。

▼「特定重大事故等対処施設」なんて名前にするから,分かりにくい。略して「特重施設」となると,何の重箱か,みたいで,なお分からない。「シビアアクシデント対処施設」とかすれば良いのにね (^o^)

[10] フィルタベント

Photo_1

▼上は保全学会のWebにあるフィルタベントの図,つまり原子炉の自殺行為の図。こんなことまでして動かすな!
なお,R/Bは原子炉建屋,FVはフィルタベントのこと。
→ 図は,こちら の下の方「7.フィルタベントシステムの構成」

▼原発は「止める,冷やす,閉じ込める」という考え方で安全を確保すると宣伝されてきた。ベントは,閉じ込めないことだから,自殺行為と言わなければならない。

[11] 関電のホームページより

▼関電は,格納容器の破損に至った場合を想定し,発電所外部への放射性物質の放出を抑制するための訓練を実施しています。虹がきれいです。
こちら

Photo_severe_accident12

 

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2019年2月 9日 (土)

原発の危険性,とりわけ老朽原発の危険性

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 老朽原発の危険性…鋼鉄がもろくなる
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◆原発は事故率が高い装置ですが,老朽化すると,重大事故の確率が急増します。高温,高圧のうえ,長い年月の間,中性子線にさらされた原子炉容器では,鋼鉄がもろくなったり,ひび割れができやすくなっています。圧力容器は交換ができないので,老朽化は深刻です。老朽原発のいくつかの危険性の中で,この「もろくなる」点は深刻です。
◆中性子が当たることによって鋼鉄は,もろくなります。鋼鉄がもろくなるということは,粘り気がなくなり,パリンと割れやすくなることです。300℃ほどのお湯を沸かしていた原子炉に,大きな地震が来て,緊急炉心冷却装置が働くと,高圧で水が注入されます。炉の鋼鉄も温度が下がります。その結果,鋼鉄が割れてしまえば,原子炉が壊れる大事故になります。
◆鋼鉄などの金属がどの程度,もろくなっているかを見る指標が,脆性遷移(ぜいせいせんい)温度です。脆性遷移温度とは,金属がしなやかな性質を失い,もろくなる性質が現れてくる温度です。金属は中性子の照射を受けると脆性遷移温度が上昇するため,原子炉の老朽化の目安とされています。原子炉の中に試験片の鋼材を入れておいて,10年ごとに取り出して,どの程度,もろくなっているか,計測するわけです。
◆脆性遷移温度が高くなると,原子炉の危険度は高まります。脆性遷移温度が高い原発,すなわちとくに危険な原発ワーストテンは,どうなっているでしょう。
(1)位は,高浜1号機…脆性遷移温度99℃。99℃より低温になると,割れやすくなる。
(2)~(5)位は,すでに廃炉(玄海1,美浜2,美浜1,大飯2)
(6)位は,高浜4号機…脆性遷移温度59℃
(7)位は,美浜3号機…脆性遷移温度57℃
(8)~(9)位は,すでに廃炉(敦賀1,福島1)
(10)位は,高浜2号機…脆性遷移温度40℃
つまり,廃炉になった6基の原発を除けば,ワーストテンに残るのは,高浜1号機,2号機,4号機,美浜3号機と,関電の若狭の原発ばかり4基です。高浜1号機は,本年で45年超え,高浜2号機は44年超え,美浜3号機は43年超えの老朽原発ばかりです。6位の高浜4号機は,2017年から再稼働されていて,プルサーマル運転もしています。
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 老朽高浜1号機の危険性…規制委の姿勢
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◆それでは,新規制基準に,脆性遷移温度の規程はあるのでしょうか。当然,あります。そして,その温度は93℃です。華氏200度を換算したので中途半端な数字になっています。このあたりは『原発は事故がなくても危険』(京都・市民放射能測定所 発行)というパンフレットの中の市川章人先生の講演録にくわしく書いてあります。
◆93℃が規程ならば,それでは,高浜1号機の99℃はアウトです。しかし,この基準は守らなくても良いのです。なぜか,この規程の適用はこれからつくる原発だけなのです。あいた口が塞がらないとは,このことです。こんなことで,老朽高浜1号機は,安全と言えるのでしょうか。
◆93℃の規程を適用しないのは,まず,安全無視も甚だしくとうてい承服できない話ですが,それでは,規制委は99℃という脆性遷移温度の安全性は,ちゃんと確かめたのでしょうか。老朽化高浜原発の再稼働に対して,規制委は,元データをちゃんと検証してから運転延長を許可したのでしょうか。
◆老朽原発廃炉名古屋訴訟で明らかになったことですが,関電は規制委に脆性遷移温度に関する元データを提出しておらず,規制委は検証もしていません。関電が「原子炉はまだ大丈夫」としているのに対して,規制委も関電の言うがままです。もちろん,関電は,裁判所にも元データは出そうとしません。
◆さらに,高浜1号機の場合,99℃という脆性遷移温度が,今後,どのように高まっていくのか,予測する必要があります。それを計算するための予測式もあります。しかし,その予測式も問題です。関電は,とにかく,当座のコストだけは安価な原発で儲けたいの一心ですから,その希望に合致する予測式を採用するに決まっているからです。現状の予測式の問題点も指摘されています。
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  老朽原発の危険性…検査にも限界
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◆老朽原発については,検査の限界も指摘されています。原発は巨大かつ複雑です。経年劣化した,金属,機器,配管,ケーブルの検査は,容易ではありません。100万kW級原発の物量は,たいへんなものです。
・ケーブルの長さ…1700km
・溶接個所…65000
・配管…170km,10000トン
・モーター…1300台
・弁…30000台
・ポンプ…360台
◆原発は,こういう巨大なシステムなので,規制委も検査は接近できる範囲のみに容認しています。たとえば,高浜原発のような加圧水型原発の場合,格納容器は「接近できる全検査可能範囲」としています。接近できないところは検査しなくて良いのです。また,接近できるところを検査しても,圧力容器などのひび割れ対策などは困難を極めます。リモートセンシングという超音波検査をしますが,技術者の技量や主観に左右されるのが普通です。
◆このあたりは,『原発はどのように壊れるか 金属の基本から考える』(小岩昌宏・井野博満 著)にくわしく書いてあります。
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 関電,うそつくな
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◆関電は,なぜ40年超え原発を動かすか,その理由を次のように言っています。日本は資源が乏しいからで,原子力は三つのE,
①エネルギー的に優れている,
②経済性がある,
③環境に良い,
という理由だそうです。
◆毎週金曜の17~19時の間,関電京都支店前で脱原発をアピールしています。そのキンカンコールに,「関電,うそつくな」というのもありますが,この三つのEは,白を黒という虚偽も甚だしく,反論する気力も失せてしまいそうです。
◆しかし,僕らは原発をやめたい。なぜ,原発廃炉かというと,日本は自然エネルギーに恵まれているのに,原子力は三つのK,環境に悪い,経済性がない,国土崩壊の可能性がある,からです。すなわち,
①原発は環境に悪い。危険な核のゴミの捨て場がありません。
②原発は経済性がない。安全対策や事故の備えのために,原発の発電単価は上がる一方です。当然備えるべき賠償金も,ちゃんと保全していません。
③原発は国土を崩壊させます。福島事故のように,住民の生活を根こそぎ奪う事故が心配です。フクシマのような事態を,日本のどこでも二度と起こしてはならないのです。
◆福島第一原発の事故の後,その多大な犠牲のうえに,原発の寿命として40年ルールを決めました。これが原則で,延ばすのは例外中の例外と,国会で言っていました。ところが現状はどうでしょうか。電力会社が40年を超えて運転したいと言えば,ろくな審査もせずに,申請は全部通すのが当たり前になっています。これが,現状です。規制委は推進委になっているわけです。原発の危険性,とりわけ老朽原発の危険性は,声を大にして言い続けていく必要があります。

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2018年11月21日 (水)

脱原発の闘い~現在の焦点

(おもに若狭の原発,関西での闘い,関電との関係で)
(2018/11/20,大飯原発差止訴訟[京都地裁]第21回口頭弁論後の報告集会の中で概略を話しましたが,その全体的な内容です。)
(以下,(1)~(3)はほとんど「若狭の原発を考える会」のチラシに依拠しています(^ ^;; → https://houteisien.wordpress.com/wakasa/

◆(1)◆脱原発の闘いの成果…原発の安全対策費は,福島事故の大きな犠牲の上に,また,反原発の闘いの故に高騰し続けている。そのため,傲慢な電力会社といえども,安全対策費がとくにかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなり,福島事故以降,女川原発1号機までで10基の老朽原発の廃炉が決定。福島第1,2を含めれば,廃炉は20基となっている。若狭では,大飯原発1,2号機の廃炉が決まっている。

◆(2)◆若狭の老朽原発再稼働…廃炉原発は増えているが,関電は来年以降,老朽原発高浜1号機(来年で45年越え),2号機(来年で44年越え),美浜原発3号機(来年で43年越え)を再稼働させ,全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしている。老朽原発の再稼働は,事故のリスクを各段に高める。老朽原発運転を阻止し,原発新設を阻止すれば,最悪でも2033年には,若狭の原発はゼロになる。もちろん,その前に重大事故が起こる可能性もあるので,原発の早期全廃を勝ち取らなければならない。
→3/24 高浜町での老朽原発再稼働阻止の集会
→5/19 大阪の関電本店前での集会

◆(3)◆使用済み核燃料の問題…若狭の原発13基がもつ使用済み核燃料貯蔵施設の7割近くが既に埋まっている。このまま原発を運転し続ければ,6年程度で貯蔵限度をこえ,原発の稼働はできなくなる。しかも,高浜原発3,4号機では,MOX(モックス)を燃料に用いる危険度の高いプルサーマル発電を行っている。MOX燃料が使用済み燃料になったとき,ウラン燃料に比べて,長期の保管を要する。関電の岩根社長は,2017年11月,使用済み核燃料の中間貯蔵施設(実は「核のゴミ捨て場」)について「2018年内に,福井県外で具体的な計画地点を見出す」と西川福井県知事に約束。しかし,年末が迫っている現在も,候補地の名前すら示すことができていない。青森県むつ市,和歌山県白浜町日置川(ひきがわ)などに画策しているとみられる。

◆(4)◆原発ゼロ基本法案…2018年3月,立憲民主党,日本共産党,自由党,社会民主党の野党4党が衆議院に共同提出。すべての原発を速やかに廃炉にすること,再生可能エネルギーの割合を2030年までに40%以上とすること,省エネなどで電気の需用量を削減すること,電力会社や立地地域の雇用や経済対策について国が必要な支援を行うこと,などがおもな内容。「野党は共闘」の一致点として大きな価値がある。最近の仮処分決定を見れば,司法の判断だけで原発を止めることは,よほどの裁判官にあたらない限り,難しいのが実情といえる。法廷での闘い,市民の運動,国会での議論と新法への世論の結集,安倍政権を倒す闘いなどの多面的な運動の中でこそ,脱原発の運動も前進する。
→3/10 バイバイ原発きょうと(円山野音)の集会

◆(5)◆関西電力の顧客離れ…2016年4月からの電力自由化(小口)により,関電から新電力に移る関電離れが増加。関電は2017年から原発再稼働にともなう大げさな値下げキャンペーンを行ったが,かつての値上げに比べると微々たるものなので,関電からの流出,新電力への移行は継続。全1200万件契約のうち,2017年8月までに100万件を超え,2018年10月末で193万件,2018年12月末には200万件が関電離れの見込み。関西では低圧の12.9%が新電力に移行(2018/5)。高圧,特別高圧の部門では,関電の「取戻し営業」が功を奏してシェアを取り戻している面はあるが,提示している価格は相当に低額とみられ,関電の利益にはあまり寄与していないとみられる。しかも,そうした営業活動は,資源エネルギー庁の「競争的な電力・ガス市場研究会 中間論点整理」などで問題視されている。→
http://www.emsc.meti.go.jp/…/emsc_stu…/pdf/180809_report.pdf
→まだまだ続いている関電宛「原発の電気は要らない署名」
 https://syomeiweb.wordpress.com/
 オンライン署名も→ https://goo.gl/eSMkLp

◆(6)◆原発賠償京都訴訟の控訴審…本年3月15日に京都地裁で出された判決は,国の中間指針が認めていない地域からの避難の相当性を認めるなど積極的な面がある一方,一部原告が避難の相当性を否認されたり,賠償額が極めて低額であるなど納得できない点があり,「避難の権利」を求めて全員で控訴。
→大阪高裁控訴審の第1回期日は,12月14日(金)10:30開廷。

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2018年8月31日 (金)

「ブルーフラッグ」の認証について

●8/18

 

Subject: 「ブルーフラッグ」の認証について

 

 

国際環境教育基金 FEE Japan 御中

 

 突然のメールで失礼いたします。

 

貴方の「ブルーフラッグ」について,意見をお送りしますので,ご検討ください。

 

 

 貴方は,水質,環境マネジメント,環境教育,安全とサービスについての基準を達成したビーチに対し「ブルーフラッグ」の認証を行っています。今年,福井県高浜町がそれらを達成したビーチとして,日本(アジア)で初めて認証されたとのことです。

 

 

 しかし,待ってください。33の基準の中に,原発との隣接,事故の危険性,放射能汚染の恐れなどの項目はありません。そして,原発事故はいつおこるか分かりません。高浜のビーチで遊んでいたら突如,避難が必要といったことになるかもしれないのです。認証には「半径250km以内に原発がないこと」といった基準が必要ではないでしょうか。

 

 

 大腸菌の心配はなくても,放射能の危険性があるところが認証されるなんて,納得できませんし,「ブルーフラッグ」の権威を損なうものだと思います。

 

 

●8/22

 

吉田 明生さま

 

 

「ブルーフラッグ」の認証についての貴重なご意見ありがとうございます。2016年に高浜町和田海水浴場が初めて認証された際も、色々なご意見をいただき、国内・国際委員会でも議題となりました。

 

 

現在のところ、和田海水浴場に合わせた新たな基準を設けることではなく、あらゆる危険性を想定した避難についての十分な準備を行っていただく事で対応していただいております。

 

 

「ブルーフラッグ」認証は環境認証でもありますが、持続可能な発展を目標としたまちづくりのためのツールであると考えております。

 

認証を与えないという選択肢もありますが、認証取得によって、より持続可能な町へ変わっていただける可能性を支援していきたいという所存です。

 

 

戴きましたご意見につきましては、10月に行われます国際会議および来年1月の国内審査委員会でも報告させていただきます。

 

 

ご理解のほど宜しくお願いいたします。

 

 

FEE Japan ブルーフラッグ事務局

 

 

●8/31

 

国際環境教育基金 FEE Japan 御中

 

ブルーフラッグ事務局 御中

 

 

 当方のメールについて,返信をいただき,ありがとうございました。

 

 

> 戴きましたご意見につきましては、10月に行われます国際会議および来年

 

> 1月の国内審査委員会でも報告させていただきます。

 

 

という点は,よろしくお願い申し上げます。ただ,当方としては納得できる回答ではありませんので,再度,メールをさしあげます。

 

 

 原発からは,事故が起こっていない平常時でも,ガスやトリチウムなどの放射性物質が大気中や海に放出されています。それらはいわゆる「基準値以下」とされていますが,原発に近い地域では,そうでないところに比べて汚染があるのは確かです。大腸菌がなくても,トリチウムが漂っているというのが,「ブルーフラッグ」にふさわしいかどうか,評価の基準を明示するよう検討されるべきだと思います。貴方はとくに厳しい環境基準を運用されているはずです。

 

 

 いったん大きな事故が起こったときには,非難しなければ被曝してしまいますが,現在の避難計画は,住民が中心で観光客はきちんと位置づけられていません。

 

 

 「ブルーフラッグ」が掲げている「美しい海を守っていく」という認定に疑念をもたれるようでは,貴方の存在意義にも関わることだと思います。添付の写真は,高浜町ではなくて,美浜町(美浜原発)や敦賀市(もんじゅ)の海水浴場の写真です。もしも,美浜町の海が貴方の現在の基準に達していれば,「ブルーフラッグ」に認定されて,写真のようなサイケデリックな光景が出現するわけです。それで良いのでしょうか。

 

 

 高浜町が持続可能な町へ発展していくことは,もちろん異議がありません。しかし,そのためには,原発から脱却することがまず第一であることを示していくことが,貴方の役割だと思います。

Mihama_2018

 

 



Monju_2018

 

 


(写真は池田豊さま撮影。2018年)

 

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2018年3月16日 (金)

2018/3/15 原発賠償京都訴訟の判決と,大飯原発差止訴訟

◆私たち京都脱原発弁護団・原告団が京都地裁に大飯原発差止を提訴したのは2012年11月ですから,すでに5年以上が経ちました。この間,原告団の事務局長を担当してきて思うのは,今の原発問題の課題と運動は,多方面に及んでいるという実感です。
 
◆原発が過疎地に立地し,大都市の際限ない電力消費に奉仕してきた差別構造は,福島第一原発事故の後,ますます明白になっています。立地地域にとどまりがちであった原発反対の住民運動は,福島第一原発事故の後,大都市での原発反対の市民運動や,大電力会社関電などへの抗議行動と結びつくようになりました。
 
◆原発には科学技術的な安全性の課題が根深くあるわけですが,それは「国民の生存権」という基本的人権にまで及んでいます。そして,それは,原発立地現地の住民運動,大都市消費地域での市民運動,各地の原発運転差し止め訴訟で問われています。全国の原発運転差し止め訴訟では,弁護士や研究者など専門家の熱意と知恵を結集した法廷闘争がくりひろげられ,多くの市民の参加と注目を集めています。そして,現実に運転差し止めが実現するような成果もあげています。
 
◆原発に反対する運動には,立地現地の住民運動,消費地域の市民運動,原発運転差し止め裁判というという三つの面の闘いがあるわけですが,その底辺を支えているのが,全国の原発賠償訴訟だと思います。率先避難者として全国に避難した方々,政府の指定区域外でも自らの判断で避難した方々らの涙と苦痛を目の当たりにして,私たちは原発事故のとてつもない非人間性をまっすぐに理解できるわけです。京都やどの地域も,第二の福島にさせない,これがすべての運動の基礎だと思います。
 
◆福島第一原発事故では,行政は勝手な線引きで被災者,避難者に差別を持ち込んできました。避難の権利を行使した率先避難者に対し,避難者としてカウントしないこと,住宅保障の打ち切り,汚染地域への帰還強要などペナルティが課されています。しかし,全国各地で行政と東京電力の責任を問う裁判と運動が進展してきました。また,国連の人権理事会でアピールする運動も進んでいます。
 
◆そして,原発賠償京都訴訟は,3月15日,判決に至りました。京都地裁の判決は,避難の相当性を認めて80点(川中宏弁護団長)とのことで,不十分な点もありつつ,これまでの原告の皆さまの奮闘が大きく実った内容だと思います。国の責任を認め,千葉,茨城,栃木など避難指示がない区域からの「自主避難者」の賠償を広く認めて,賠償を命じた点はとくに評価できると思います。
 
◆原発に反対する立地現地,消費地域,裁判所での闘いは,政府や電力会社の経営にも影響をあたえています。原発に反対する世論はつねに多数派を保っています。政府や原子力規制委員会は原発再稼働に熱心ですが,現在,動いている原発は,川内原発2号機,高浜原発3・4号機,そして,昨日再稼働された大飯原発3号機の4機だけです(伊方原発3号機は2017年12月の広島高裁仮処分決定で停止中。川内1号機は1月末から定期点検に入っています)。
 
◆政府は,原発再稼働,核燃料サイクルと再処理,原発輸出を推進していますが,東芝,日立,三菱など原子炉メーカーの経営とともに混迷を深める一方で,日立の原発輸出への債務保証など不透明な癒着を深めています。核のごみ処理もまったく見通しがありません。原発は電気をつくるだけでなく,莫大な放射性廃棄物もつくっています。原発の電気で儲け,廃棄物処理は国民負担にする構造に対し,さらに追及の手が必要です。東電や関電は,電力自由化の下,顧客離れに苦しんでいます。とりあえずすぐにでも新電力に移行しましょう。
 
◆私たち京都地裁の大飯原発差止訴訟には仮処分のような即効性はありませんが,関西電力の設定する基準地震動への疑問と,事故が起こった際の避難困難性などについて,着々と主張を積み重ねています。直近では1月16日に第18回口頭弁論がありました。被告関西電力は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めたうえで,地域特性を十分に把握できているため,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。
 
◆また実施された調査結果は「科学技術を冒涜する所作」以外の何物でもないといえるほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価していることを明らかにしました。これって,森加計方面で今はやりの改ざんといってもよいものです。
 
◆次回の第19回口頭弁論は,3月27日火曜日,14時からです。抽選券配布は,13時25分から40分までです。多くの皆さまが傍聴席を埋めていただきますよう,お願いします。開廷前には定例のデモを行っています。
 
◆3月14日,大飯原発3号機が再稼働されてしまいましたが,昨年末には関電が老朽大飯原発1・2号機の廃炉決定をしたことは,私たちの運動の勝利といえます。安全対策費が膨大になり,経済的合理性からみて,ペイしなくなったのです。私たちは,原発の科学技術的な課題(安全性),倫理的問題(将来への核のゴミつけ回し,電力多消費型社会への批判)を追及しつつ,経済合理性から見て原発が産業として成立しないことも法廷で追及しています。
 
◆2016年4月以来の電力自由化の下,原発に依存する電力会社の経営は厳しさを増しています。関電は,小口で毎月,6万件から7万件の顧客を失い続けています。昨年末には,小口契約の10%をこえる120万件が関電との契約を変更しました。大口でも,京阪電車をはじめ,関電離れが進んでいます。関電の電力販売量は長く東電につづく第2位でしたが,昨年は中部電力に抜かれて,第三位に転落しました。
 
◆苦境の電力会社を守るために,政府は,新電力利用者にも原発コストを負担させたり,送配電料金の一部として送配電とはまったく関係のない福島事故の処理廃炉費用もぐり込ませようと企んでいます。原発を維持するための電力料金のからくりをあばき,新電力への移行をうながす「原発の電気はいらない署名@関西」の運動も重要になっています。
 
◆京都脱原発原告団は,原発賠償京都訴訟の原告の皆さんとともにあります。今後さらに多面的な運動をめざしたいと思っています。ともに奮闘していきましょう。

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2017年6月 2日 (金)

福島第一原発事故の責任者

福島第一原発事故の責任者は誰だ!
責任をとれ!
刑事裁判の初公判は6月30日
 
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◆福島原発刑事訴訟
 
  「福島原発告訴団」(現在は「福島原発 刑事訴訟 支援団」)は,福島第一原発事故を起こし被害を拡大した責任者たちの刑事裁判を求め,2012年6月に33名と1社(法人としての東京電力株式会社)を告訴しました。その後,検察庁の全員不起訴(2013年9月)→検察審査会で3名が起訴相当(2014年7月)→検察庁は再度不起訴(2015年1月)→検察審査会の再度の起訴議決(2015年7月)により,3名の強制起訴が決定しました。その被疑者は,勝俣恒久,武黒一郎,武藤栄です。指定弁護士が起訴状を提出して起訴(2016年2月)し,刑事裁判の初公判期日は,本年6月30日となりました。
 
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◆「福島原発告訴団」2012年告訴の33名
 
  原発事故を起こし被害を拡大させた責任をただすための告訴です。なお,福島原発告訴団は「菅直人元首相」,「枝野幸男元官房長官」,「海江田万里元経済産業相」を告訴していません。(以下の「現」は告訴当時)
 
[1] 国(行政機関の職員15名)
 
(1)経済産業省原子力安全保安院(3名)
  ・院長………寺坂信昭
  ・元院長……松永和夫(現・経済産業省事務次官)
  ・同…………広瀬研吉(現・内閣参与)
 
(2)原子力安全委員会(7名)
  ・委員長…班目春樹
  ・前委員長…鈴木篤之(現・日本原子力研究開発機構理事長)
  ・委員………久木田豊(同委員長代理)
  ・同…………久住静代
  ・同…………小山田修
  ・同…………代谷誠治
  ・専門委員…衣笠善博(東京工業大学名誉教授)(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会の地震・津波・地質・地盤合同ワーキンググループサブグループ「グループA」主査など)。日本中のほとんどすべての原発の審査に関わり,志賀原発の審査では一つながりの活断層を無理矢理3つに分けて評価し,想定地震規模を過小評価したと指摘され,活断層カッターの異名をもつ。
 
 (3)原子力委員会(1名)
  ・委員長……近藤駿介
 
 (4)文部科学省 (4名)
  ・坂東久美子…前文部科学省生涯学習政策局長(現・同省高等教育局長)
  ・山中伸一……前文部科学省初等中等教育局長(現・文部科学審議官)
  ・合田隆史……前文部科学省科学技術政策局長(現・同省生涯学習政策局長)
  ・布村幸彦……前文部科学省スポーツ・青少年局長(現・同省初等中等教育局長)
 
[2] 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの放射線専門医(3名)
 
・山下俊一……福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長,日本甲状腺学会理事長)
  ・神谷研二……福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長,広島大学原爆放射線医科学研究所長)
  ・高村 昇……福島県放射健康リスク管理アドバイザー(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)
 
[3] 東京電力取締役ら役員(15名)(★は強制起訴された3名)
 
(1)東京電力の経営陣のトップとして安全対策をせずに原子力事業を推進した責任者(7名)
 
  ★勝俣恒久……取締役会長
  ・西澤俊夫……取締役社長
  ・清水正孝……前取締役社長
  ・相澤善吾……元常務取締役 取締役副社長,原子力立地本部長
  ・田村慈美……元取締役会長
  ・南直哉………元取締役社長
  ・荒木浩………元取締役会長
 
(2)東京電力の原子力立地本部長ないし副本部長など東京電力の中で,職務上福島第一の安全対策をすすめる立場にあった役員ら(8名)
 
  ・皷(つづみ)紀男………取締役副社長・元原子力立地本部副本部長
  ・小森明生……常務取締役・元原子力立地本部副本部長
  ・藤原万喜夫…常任監査役・監査役会会長・元原子力立地本部副本部長
  ★武藤栄………元副社長・元原子力立地本部副本部長
  ★武黒一郎……元副社長・元原子力立地本部本部長
  ・服部拓也……元副社長・元原子力本部副本部長
  ・榎本聰明……元常務取締役・原子力本部本部長
  ・吉田昌郎……元執行役員,前東京電力福島第一原発所長
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◆「福島原発告訴団」2015年告訴の9名
 
 「福島原発告訴団」による第二次告訴で,津波対策をつぶした規制当局の官僚や電力関係者の刑事責任を問うものです。2015年1月告訴→検察庁は同年4月に全員不起訴→検察審査会へ。ただし,検察審査会は2016年4月に検察庁の不起訴を支持し,起訴には至りませんでした。
 
① 酒井俊朗……東京電力株式会社の福島第一原発の津波対策の検討実施に当たっていた
② 高尾誠………同上
③ 西村某………同上
④ 森山善範……2008年~2009年当時,保安院原子力発電安全審査課長,ついで保安院審議官,文科相大臣官房審議官,保安院原子力災害対策官(併任),(独)原子力安全基盤機構総括参事,(独)日本原子力研究開発機構執行役,同理事(現在)
⑤ 名倉繁樹……保安院原子力発電安全審査課審査官(当時),原子力規制委員会安全審査官
⑥ 野口哲男……保安院原子力発電安全審査課長(当時),保安院主席統括安全審査官,(独)原子力安全基盤機構企画部長
⑦ 原昭吾………保安院原子力安全広報課長(実質的に人事権を有する)の立場にあった者(当時),保安院関東東北産業保安監督部長,保安院原子力災害現地対策本部統括班
⑧ 氏名不詳……原子力安全委員会の津波対策担当者
⑨ 氏名不詳……電事連の津波対策担当者
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◆原発メーカー訴訟
 
  福島第一原発事故の責任は,原子炉をつくった原発メーカーにもあるはずです。製造物責任を問われるべきです。原発メーカー訴訟は,福島第一原発の原子炉を造ったメーカーであるGE,東芝,日立を被告として,原発事故の責任を問う裁判ですが,2016年7月,東京地裁は原告の請求を認めない判決を言い渡しました。原発事故の賠償責任を電力会社にだけ負わせる原賠法は,原発のメーカーを不当に守るものです。原告団・弁護団は,過酷事故をおこした原発メーカーの責任をさらに追求しています。
 

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関電の下僕か府民の公僕か

関電の下僕か府民の公僕か……原発のコスト……

◆原発推進の原子力ムラは政府広報をつかって,原発の発電費はいちばん安いと強調している。しかし,『原発のコスト』(岩波新書,大島堅一)などで明らかなように,政府や電力会社のいうコストには,発電事業に直接要する(1)私的コスト(電力会社の費用=資本費や燃料費など)だけしかふくまれず,原発の本当のコストは隠蔽されている。

◆原発のコストには,社会的コストがたくさんある。よく指摘されるのが(2)政策コスト。その中には技術開発コスト(MOX燃料の乾式貯蔵などの技術は研究中,ほかいろいろ),立地対策コスト(電源三法交付金,MOX燃料交付金)などがあり,高額にもかかわらず,原子力ムラのいう原発のコストにはふくまれていない。そして,(1)+(2)だけで,もう原発は,火力や水力をこえていちばん高い電源になってしまう。これでは原発を推進できないので,勝手にコストの範囲を狭くして,数字をごまかしている。

◆原発のコストには,上記の他,
(3)事故コスト(最近の試算では福島第一原発の廃炉や賠償に21.5兆円と急膨張。日本の国家予算は100兆円ですよ),
(4)バックエンドコスト(使用済み核燃料の処理など,将来世代の負担),
(5)環境コスト(通常の運転でも生ずるトリチウムや希ガスなど環境汚染,温排水,労働者の被ばくなど),
(6)原子力防災コスト
などがある。

◆それぞれ詳しくみると切りがないので,原子力防災コストを概観する。国や地方自治体が,原子力規制委員会,防災危機管理課,防災安全課,原子力安全対策課などを設置して,電力会社が事故をおこしたときの対策を立てているが,費やす時間や人件費を積算すれば,結構な額になるはずだ。

◆京都府には原子力防災課があるが,何故,こんな部署が必要か。原子力防災課がもし原発の廃炉をめざして仕事をしているのなら,尊重されるべきだろう。しかし,今の状況を見ると,そうではなさそうだ。5/10に京都府庁に行った。関電・高浜原発の再稼働に反対に意思表示をして欲しいというのが,市民団体の要望であったが,声を聞こうとしない。あれでは,まるで関電がお漏らしをしたときにお世話をする下働きだ。府民の公僕ではなくて,関電の下僕になっているとしたら,行政の私物化も甚だしい。

 

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◆だいたい,火力発電防災課なんてものは存在しないのに,何故,原発には防災課が必要か。危険な湯沸かし遊びで金儲けをしたいという関電のために「どうぞどうぞ,気にしないで,どんどんおやりくださいね,面倒なことになったら,こちらで面倒をみさせてもらいますから」。こういう府知事なら,関電の下僕だよね。

◆避難計画は可能な限りつくってみれば良いと思うが,それと同時に,そんなものを必要としない社会をめざすのが,府民の生命と生活をまもる府知事,府庁公務員の役割だろう。関電に対し「もっと安全な方法でお湯を沸かしなさい」と言うのが,府民の公僕だろうし,府知事の政治的責任だろう。

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2017年4月 2日 (日)

FAXの送信と受信

昨年秋から電力自由化署名を進め,MLなども作ってきました。そしてML以外にFAXで連絡することも増えました。
 
(1)
最初は,PCで書いた文章をプリントアウトして,それをFAX兼用電話機で送るという方法で送信していました。しかし,これは手間も時間もかかるし,紙に打ち出すためのインク,紙も勿体ないので,改善策を検討することに。
 
(2)
USBポートに接続するUSBモデム,最近は使っていませんでしたが,PCにこのドライバを設定。ソフトはWindows10付属のFAXソフトを利用。これだと,MLに書いた内容のテキストを,「新しいFAX」の画面にコピペするだけで,送信できるので,助かるようになりました。送信済みの内容も,一覧できるようになり,何を送ったのか,後でも確認できます。
ただし,この場合,テキスト文字ならば良いのですが,レイアウトした一太郎ファイルとか,PDFファイルを送信するには,うまくいきません。また,PCは夜などは電源を落としているので,FAX受信を設定しておくわけにはいかないという問題も出てきました。
 
(3)
そこで,次に試したのが,複合プリンター(Brother)のFAX機能を使うことです。一太郎やPDFのファイルをPC画面に表示したまま,ファイル→印刷→PC-FAXと選択すると,そのまま送信できます。宛先は,Windows10付属のFAXソフトのものを流用できますので,新たに作り直す必要がなくて,楽ちんです。ただし,この場合,送信履歴がすぐには分からない(Windows10付属のFAXソフトは送信簿がすぐに分かる)ので,この点がやや気になります。
 
(4)
複合プリンターに電話線をつないで,さらに外付け電話を取り付けると,FAXは複合プリンターに着信し,通話は外付け電話に着信させることができる。しかし,この複合プリンターは,日常使用しているPCや現在のFAX兼用電話機とは別の部屋に置いてあるので,今さら電話機の位置を変えるのは,連れ合いの理解を得られないことは必須。
 
(5)
その上,この複合プリンターの外付け電話には 「FAX機能の付いた電話機を外付け電話として接続しないでください」 という制限がある(FAXを受信できる機能が重複してしまうからか)。現在使用しているFAX兼用電話機で,FAX機能を使わないようにする設定は見つからなかったので (兼用機はFAXが付いていることに意味があるので,切り離せないのは当然か),複合プリンターにFAXも電話も統合してしまうということは,断念。
 
(6)
そこで,①電話とFAX受信は,これまでのFAX兼用電話機を使う。FAX送信は,②USBモデムとWindows10付属のFAXソフト,③複合プリンターのFAX機能と,役割を分けることに。
 
(7)
Lineの電話線はまず,手動切替機で二つに分ける。つまり,一つは①電話とFAX受信(従来のFAX兼用電話機)(こちらを優先),もう一つは②+③,そのどちらかをスイッチで切り替える。②+③のほうの先では,さらに自動切替機で②か③に分けるという,切替機の二段構えです。最初の切替機を手動にしているのは,電話の機能を優先して確実にしておきたいから。また,一つの回線でFAX送受信機能が二つある(とくに受信機能が二つあるので,自動設定で受信する場合,どう切り分けられるのか不明)ので,これはきちんと切り分けておきたいことがある。FAXの送信のときは,手動で②+③のほうにスイッチを移動するが,終わればすぐに①に戻すという作業を不可欠と設定している。
 
【二段構えの切り替え】
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(8)
複合プリンター(FAX送信用)は,日常的に使用しているPCやFAX兼用電話機とは,別の部屋に置いてある。PCと複合プリンターは無線WiFi(無線LAN)で接続できるが,電話線は無線にできないので,FAX送信のためにはどうしても,複合プリンターに有線の電話ケーブルをつながないといけない。幸いにして,そちらの部屋には,PCのそばから有線LANケーブルが通じているので,有線LANケーブルを電話線として使うためのアダプタを利用している。実は,複合プリンターのFAX機能を使うという発想は,ホームセンターで,有線LANケーブルを電話線として使うためのアダプタを発見したことが発端でした。「LANコードをテレホンコードに」の変換アダプタ(元々はADSL用か)は,ELPA朝日電器の製品です。
 
(9)
FAX機能のついていない電話機を買って,FAX兼用電話機を廃棄すれば,複合プリンターにFAXも電話も統合することができるだろうが,電話番号などを登録し,子どもらにワンタッチで電話できる今の電話を廃棄することは連れ合いが賛同しないだろう。その場合,サイズの大きい複合プリンターの置き場も検討しないといけない…というか,難しい。ということで,切替機の二段構えでしのぐのが現実的。
 
何とか形ができたFAX体制でした(^o^)
 

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2016年7月 7日 (木)

脱原発の缶バッジ

(1) サイズを指定して,絵柄をつくる。
 切り抜くときの位置合わせに,十字のトンボを入れておく。
 イラストレータに作ってもらったデザインのほかに,
 「花子」を使って自分でも作成。

 出来上がり缶バッジが直径38ミリで,絵柄の直径は,46.6ミリ。
 
S1

(2) 本体が透明なサークルカッターで絵柄を切り抜く。
  トンボに合わせて,カッターを紙の上にのせて,くるくると回してカット。
 エヌティー 円切りカッター クリア iC-1500P。
 ・直径1.8cm~17cmで自由なサイズの円をカットできる。
 ・中心にピン穴をあけずに切れる。
 ・しかもお値段が妥当(^o^)
 
S2_2    

S3
 
(3) バッジマンの缶バッジマシン(38ミリ)にセットして,でカシャ,くるり,カシャ。
 くわしくは→こちら
 これは,木津川マラソンの支援金を受けて,原告団で購入したもの。
 
S4
 
(4) 完成\(^O^)/
 
S5    
 
(5) パーツは,「38MM標準ダブルフックピン型パーツセット 250個入」で
 4,617円 (税込)。送料650円を加えて,単価は,21円也。
 

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2016年3月12日 (土)

高浜原発再稼働と市民運動

出版労連「mi・ra・i・e」No.14 (2016年3月10日発行)
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 昨年12月、福井地裁は、関西電力・高浜原発の再稼働を認める決定を出しました。この決定は、関電の言い分をそのまま引き写した内容です。そのうえ、決定を出した12月24日は、わざわざ関電の再稼働スケジュールに合わせたものでした。12月22日には西川一誠・福井県知事が再稼働の同意を表明し、23日は祝日で、その翌24日に裁判所が再稼働を認め、その翌25日には関電が核燃料の装荷を開始するという「手際のよさ」が際立っていました。これは「出来レース」そのものであり、裁判所は、関電のいいなり、まるで関電の下請け機関です。今回の決定内容の問題点は、以下の通りです。
  (1)福島原発事故から学ぶ姿勢がなく、完全に無視しています。今も10数万人の住民が避難し、広い地域に人が住めなくなっている現実を無視してよいでしょうか。
  (2)高浜原発で事故が起こった場合は、多くの住民が被ばくすることを前提にしています。たかが電気を起こすために、私たちの日常の暮らし、健康、生命を犠牲にしなければならないのでしょうか。
  (3)原子力規制委員会の判断を安直に認め、再稼働を推進する行政に追随しています。市民の人格権、生命と健康を守る司法の役割を放棄しています。
  (4)「社会通念」という裁判長の勝手な考え方、独自の誤った考え方が基本になっています。関電が言っていないことを付け足しており、基本的な認識が間違っています。
 いわゆる「避難計画」は杜撰なままです。避難できるとすれば、それは実は故郷とそこでの生活をすべて捨てて二度と帰れなくなる「強制移住」であり、避難できなければ、被ばくを強いられます。
 原子力は人が制御することのできる技術ではありません。原発は、事故が起こらなくても環境を汚染し、労働者の健康をむしばみながら運転される「ブラック・プラント」です。いったん過酷事故が起これば、広範な地域に回復不能の汚染をもたらし、生命と健康と生活を危機に陥れます。そして、使用済み核燃料という形で、将来の世代に処理不可能な負の遺産を増やします。
 関電と国は、高浜原発の事故時の放射能放出率を福島事故の1000分の1以下と評価し、基準地震動も過小評価しています。重要免震棟はありません。プルサーマル運転のMOX燃料は事故時の危険性が高く、その使用済み核燃料の行き場はありません。関西1450万人の水がめ琵琶湖の汚染はとくに心配です。
 高浜原発再稼働阻止にむけた運動として僕が参加したのは、昨年11月の高浜原発から関電大阪本店まで約200km、13日間のリレーデモの一部、1/9の福井地裁不当決定全関西報告集会(京都)、1/24高浜原発前の現地抗議集会とデモ、1/27の関電本店前抗議行動、などですが、京都、滋賀、大阪、兵庫の多くの市民運動グループが多彩に活動しています。地元高浜町で路地裏にまで至るチラシ配布やデモなどを続けている「若狭の原発を考える会」からは、町民の反応が目に見えて良くなったと報告されています。関西広域連合、京都府(高浜から5km圏の住民もいる)、京都市(同30km圏)、関電京都支店などへの再稼働反対の申し入れも諸団体から行われています。こうした市民の声を一切無視して再稼働へ突き進んでいる原子力ムラと国の姿勢は、戦争法強行、沖縄辺野古での新基地建設にも共通していますが、自覚的に参加し、創意と工夫をこらして活動する市民の多彩な運動がわき起こっていることも、すべてに共通する動きだと思います。

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