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2019年8月11日 (日)

非化石価値取引市場とは

◆2020年5月には新市場がスタート予定の非化石価値取引市場とは
 ↓
http://www.cnic.jp/8550(原子力資料情報室)

非化石価値取引市場とは…電力自由化にともない,電力の持つ価値が多様化している(自由化以前は電力の価値と言えば,kWhという電力量の価値のみであった)。多様化した価値のうちの一つに,CO2を排出しない「非化石」という価値がある。それを証書化した非化石価値証書が市場で取引される。証書を買った小売り電気事業者は,自社の販売電力のうち,その分だけ非化石の電力とみなすことができる。小売電気事業者のうち,年間の販売電力量が5億kWh以上の比較的大手の事業者には,2030年度に非化石電源比率を44%にする義務がある(エネルギー供給構造高度化法)。

現在,検討されている非化石証書は3種類
(1)FIT非化石証書…2018年5月から取引。グリーン電力証書,J-クレジット(再エネ由来)といった類似の証書がある中で,価格が高く,取引は低調。制度の行方が不透明。

以下の二つは,2020年5月までに取引を開始する計画。売り手は電源を持っている発電事業者(旧一電,東電や関電など旧一般電気事業者)で,買い手は小売電気事業者。

(2)非FIT非化石証書(再エネ指定あり)…大型水力や卒FIT電源などの非化石価値を証書化。
(3)非FIT非化石証書(再エネ指定なし)…原子力などの再生可能エネルギーではない非化石価値を証書化。

問題点① 不公平性
旧一電(東電や関電など旧一般電気事業者)は非化石電源比率が比較的高いのに比べて,火力が多い新電力は非化石電源比率が低い。自前の電源をほとんど持たない新電力も多い。そのため,新電力は市場から多額の非化石証書を入手しなければ,小売電気事業者に求められる非化石比率44%を達成できない。現在,検討されている非化石価値取引市場の下では,新電力は多額の負担に耐えきれず,生き残れないと言われる所以。

問題点② 原発の再稼働が前提
電力広域的運営推進機関(OCCTO)が取りまとめた「2019年度供給計画」では2028年度までの電力の需給見通しが示されている。しかし,法の定める2030年度非化石電源比率44%の目標を達成するには,2028年度時点で非化石電源,非化石証書がまったく足りない。それは,この目標を達成するには,34~37基の原発が稼働している必要があるという,到底不可能な前提にたっていることによる。現状の非化石価値取引の方向は,さらなる原発の再稼働,老朽原発の再稼働を前提にした制度設計となっている。つまり原発再稼働を後押しする制度となっているので,脱原発を前提とした制度に根本的に改める必要がある。

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