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2019年8月11日 (日)

容量市場とは

◆2020年から取引開始の容量市場とは
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http://www.cnic.jp/8457(原子力資料情報室)

容量市場とは…電力の安定供給に必要な発電容量を確保するため,発電所を確保する手段として,発電能力(kW)に価値を認めて取引する市場のこと。

容量市場の実態…電力自由化の下,東電や関電などの一般電気事業者(旧一電)は,自社が相対契約などで供給する義務のある需要を超える容量を維持する義務はなく,採算性の悪い発電所を次々に休廃止する選択も取りえるわけで,代替施設のないまま休廃止が行われれば,ピーク需要発生時などに容量が不足するリスクが高くなる。こうした事態を防ぐために,発電する能力(kW)に価値をつけて,事実上の補助金を支払う仕組みであり,実質的には原発,石炭火力への補助金と化す。現在,検討中の市場設計だと,容量市場の規模は1.4兆円前後となる可能性があり,これが最終的には電気料金として消費者から徴収されようとしている。

(1)容量市場で取引されるもの…kWで数える発電所の電気の発電能力が取引される。

(2)容量市場の売り手・買い手…売り手は発電所を保有する発電事業者。FITの対象として補助を受けている電源以外,すべてが対象。買い手は,電力システム改革の中で設立された電力広域的運営推進機関(OCCTO,オクト)。買い取り費用は,電気料金や託送料金として消費者が支払うことになる。

(3)価格の決まり方…競争入札で決定。OCCTOは取引を行う年から4年後と1年後の国全体の必要容量を決定し,目安価格を設定。売り手は電源ごとに入札。現在検討されている容量市場の取引開始は2020年,取引対象年は2024年。具体的な目安価格とは,例えば105.6万kWが設備容量の東海第二原発では,約98億円を容量市場から得ることができる。

数多くの問題点

(1)新設電源を建設するよりも,既存の電源を可能な限り稼働させることを強く支援する制度設計となっている。言い換えると,老朽化したり,CO2排出量が多かったりする電源であっても,限界費用が安ければ運転した方が得だと判断することを促す市場。(イギリスの容量市場では,稼働中の原発や石炭火力,LNG火力が落札し,新設の発電所は落札できていない。)

(2)太陽光・風力などの変動電源は容量としてあまりカウントされない。

(3)現状の市場設計では,老朽化して危険な原発やCO2排出量の多い石炭火力発電所ばかりが容量価値を認められることになる。新規建設は行われにくい状況にもなりえる。

(4)日本の大半の発電所は,東京電力や関西電力などの一般電気事業者(旧一電)が保有している。そうした発電所は,公共性が高いがゆえに,総括原価方式の下,公共料金として国民が様々なコストを負担して立地・建設・運転してきたもの。そうした電源を自由化したからといって,旧一電がほしいままにしてよいのか。

(5)容量市場という現状を固定する方向に強いインセンティブを持つ制度を導入することは,変革を阻害する。必要容量の予見可能性を高めて,電源の新陳代謝を促すことが必要。将来を固定する制度は導入するべきではない。

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