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2018年8月

2018年8月31日 (金)

「ブルーフラッグ」の認証について

●8/18
Subject: 「ブルーフラッグ」の認証について
国際環境教育基金 FEE Japan 御中
 突然のメールで失礼いたします。
貴方の「ブルーフラッグ」について,意見をお送りしますので,ご検討ください。
 貴方は,水質,環境マネジメント,環境教育,安全とサービスについての基準を達成したビーチに対し「ブルーフラッグ」の認証を行っています。今年,福井県高浜町がそれらを達成したビーチとして,日本(アジア)で初めて認証されたとのことです。
 しかし,待ってください。33の基準の中に,原発との隣接,事故の危険性,放射能汚染の恐れなどの項目はありません。そして,原発事故はいつおこるか分かりません。高浜のビーチで遊んでいたら突如,避難が必要といったことになるかもしれないのです。認証には「半径250km以内に原発がないこと」といった基準が必要ではないでしょうか。
 大腸菌の心配はなくても,放射能の危険性があるところが認証されるなんて,納得できませんし,「ブルーフラッグ」の権威を損なうものだと思います。
●8/22
吉田 明生さま
「ブルーフラッグ」の認証についての貴重なご意見ありがとうございます。2016年に高浜町和田海水浴場が初めて認証された際も、色々なご意見をいただき、国内・国際委員会でも議題となりました。
現在のところ、和田海水浴場に合わせた新たな基準を設けることではなく、あらゆる危険性を想定した避難についての十分な準備を行っていただく事で対応していただいております。
「ブルーフラッグ」認証は環境認証でもありますが、持続可能な発展を目標としたまちづくりのためのツールであると考えております。
認証を与えないという選択肢もありますが、認証取得によって、より持続可能な町へ変わっていただける可能性を支援していきたいという所存です。
戴きましたご意見につきましては、10月に行われます国際会議および来年1月の国内審査委員会でも報告させていただきます。
ご理解のほど宜しくお願いいたします。
FEE Japan ブルーフラッグ事務局
●8/31
国際環境教育基金 FEE Japan 御中
ブルーフラッグ事務局 御中
 当方のメールについて,返信をいただき,ありがとうございました。
> 戴きましたご意見につきましては、10月に行われます国際会議および来年
> 1月の国内審査委員会でも報告させていただきます。
という点は,よろしくお願い申し上げます。ただ,当方としては納得できる回答ではありませんので,再度,メールをさしあげます。
 原発からは,事故が起こっていない平常時でも,ガスやトリチウムなどの放射性物質が大気中や海に放出されています。それらはいわゆる「基準値以下」とされていますが,原発に近い地域では,そうでないところに比べて汚染があるのは確かです。大腸菌がなくても,トリチウムが漂っているというのが,「ブルーフラッグ」にふさわしいかどうか,評価の基準を明示するよう検討されるべきだと思います。貴方はとくに厳しい環境基準を運用されているはずです。
 いったん大きな事故が起こったときには,非難しなければ被曝してしまいますが,現在の避難計画は,住民が中心で観光客はきちんと位置づけられていません。
 「ブルーフラッグ」が掲げている「美しい海を守っていく」という認定に疑念をもたれるようでは,貴方の存在意義にも関わることだと思います。添付の写真は,高浜町ではなくて,美浜町(美浜原発)や敦賀市(もんじゅ)の海水浴場の写真です。もしも,美浜町の海が貴方の現在の基準に達していれば,「ブルーフラッグ」に認定されて,写真のようなサイケデリックな光景が出現するわけです。それで良いのでしょうか。
 高浜町が持続可能な町へ発展していくことは,もちろん異議がありません。しかし,そのためには,原発から脱却することがまず第一であることを示していくことが,貴方の役割だと思います。

Mihama_2018

Monju_2018
(写真は池田豊さま撮影。2018年)

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2018年8月20日 (月)

『日本鉱物文化語彙攷』

 石をめぐる日本の文化の豊かさがわかる。「さざれ石のいはほとなりて」「木石,心なしとは申せども」などの考察。日本語の鉱物名の重層性を解き明かし,鉱物を巡る話題も豊富。

 本格的な研究書で,400ページを超えるなかなかの大著。縁あっていただいた本なのに,読める範囲でしか読んでいないのは,素人故と勘弁してもらうほかありません。
→http://www.izumipb.co.jp/izumi/modules/bmc/detail.php?book_id=129721&prev=new
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amazonの内容紹介
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 我々は鉱物を無機物とする現代社会に生きながら、各地に残る石の俗信に懐かしさを抱き、生長する石の永遠性を言祝ぐ古歌を国歌とし、盆石や石庭などを日本文化の精神性を表わすものとして世界に紹介さえしている。
 本書は、砂石や岩石、玉石と多様なかかわりを持ち、重層する鉱物観を持つに至った日本文化をたどった類のない書である。古歌から明恵上人、木内石亭、本草学由来の種名、西洋鉱物学、近代以降の学術名まで時代を問わず石をめぐり、日本文化の特質を考える。
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前篇 日本人の鉱物観
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 amazonの内容紹介にある「生長する石の永遠性を言祝ぐ古歌」とは,言わずと知れた君が代。小さな「さざれ石」が,長い年月をかけて大きな「いわお」に成長するという意味で,古代にはそういう感覚「石が成長するという」信仰があったという……知りませんでした,そういう意味かということも初めて知りました !!!(>_<)!!!
 ところによっては,そういう成長石がまつってあるところもあるという。鰯の頭的な宗教,信仰ですね。今の感覚では,石が成長するはずがなく,石は風化して分解し小さくなるのがあたりまえ。科学が明らかにした自然観と私たちが日常的に抱いている世界観が異なることは,確かにありますが,君が代の石成長説に至っては日常的な観念をもこえているように思いました。
 江戸時代には蘭学において西洋の鉱物観を受容することになる。宇田川榕菴の『舎密開宗』 (化学の解説書)など,はるか昔に覚えた記憶が蘇ってきた蘭学者がでてきたり,初めて聞くことも多くおもしろい。漢文(いちおうレ点などがついているが)や,ルビのない難しい漢字も多くて,そのあたりは適当にパスさせてもらいました(>_<)。すみませんm(_ _)m
……僕のATOKでは,日本史用語の単語登録を強化してありますので,「うだがわようあん→宇田川榕菴」は変換できましたが,『せみかいそう→舎密開宗』は,単語登録がなくて無理でした!!!(>_<)!!!。
似たような名前で,試しに「うだがわげんずい→宇田川玄随」,『はるまわげ→ハルマ和解』は,一発変換できましたが\(^o^)/
→https://www.vector.co.jp/soft/data/writing/se363518.html
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後篇 日本の鉱物名
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 本書では,歴史資料の中から鉱物名をとりだし,相当に手間のかかる作業を経て綿密に比較しています。そして,本書によれば,現代の日本の鉱物名は,
(1)古くからの和名,
(2)中国から伝わった本草学による漢名,
(3)江戸時代の蘭学による命名(『舎密開宗』などによる成分による命名),
(4)明治期に命名された漢語の学術名,
(5)西洋の学術名をカタカナで表した名称,
という幾重にもなる構造にあるとのことです。実際,僕自身,少しの鉱物コレクションをもっているだけですが,名称の多様性に困惑してきましたが,それも当たり前だと分かりました。
 僕が知っている和名の鉱物は,霰石(あられいし,アラゴナイト),蛍石(ほたるいし,フローライト),孔雀石(くじゃくいし,マラカイト),石榴石(ざくろいし,ガーネット),黒曜石(こくようせき,オブシディアン)あたりですが,他の多くの鉱物がカナカナ名になっている関係で,これらの和名よりカタカナの方が馴染みがある感じがします。
 ヒヤシンスという花は,「風信子」とも書き,「風信子石」といえば,放射年代測定に利用される鉱物のジルコンとのこと。ほかに翡翠,金剛石(ダイヤモンド),水晶と石英など,興味深い考察があります。
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その他
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 元素と漢字の組み合わせについては,本書では扱っていませんが,以下のようなものがあって,これによって鉱物名を表すこともあります。
・【礬】アルミニウム(Al)。
・【満】マンガン(Mn)。
・【曹】ナトリウム(Na)。
・【灰】カルシウム(Ca)。石灰。
・【苦】マグネシウム(Mg)。酸化マグネシウム=苦土。
・【珪】ケイ素(Si)。
・【燐】リン(P)。
・【硫】イオウ(S)。
・【鉄】鉄(Fe)。
・【加里】カリウム(K)。
 上記によると,石榴石は,次のように分類されます。はて,漢字で覚えた方が便利なのか(成分は自動的に判明しても漢字が煩雑),カタカナで覚えた方が良いのか(舌を噛みそう(^ ^;;)。
・苦礬柘榴石(pyrope,パイロープ)。苦バン石ともいう。Mg3Al2Si3O12。赤~桃色。
・鉄礬柘榴石(almandine,アルマンディン)Fe3Al2(SiO4)3。赤色,褐色。
・満礬柘榴石(spessartine,スペサルチン)Mn3Al2(SiO4)3。だいだい色,灰褐色,黄色。
・灰礬柘榴石(grossular,グロッシュラー)Ca3Al2(SiO4)3。だいだい色,灰褐色,黄色。
・灰鉄柘榴石(andradite,アンドラダイト)Ca3Fe3+2(SiO4)3。褐,緑,黒色など。
 鉱物名の重層性そのものです。
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