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2017年6月 2日 (金)

関電の下僕か府民の公僕か

関電の下僕か府民の公僕か……原発のコスト……

◆原発推進の原子力ムラは政府広報をつかって,原発の発電費はいちばん安いと強調している。しかし,『原発のコスト』(岩波新書,大島堅一)などで明らかなように,政府や電力会社のいうコストには,発電事業に直接要する(1)私的コスト(電力会社の費用=資本費や燃料費など)だけしかふくまれず,原発の本当のコストは隠蔽されている。

◆原発のコストには,社会的コストがたくさんある。よく指摘されるのが(2)政策コスト。その中には技術開発コスト(MOX燃料の乾式貯蔵などの技術は研究中,ほかいろいろ),立地対策コスト(電源三法交付金,MOX燃料交付金)などがあり,高額にもかかわらず,原子力ムラのいう原発のコストにはふくまれていない。そして,(1)+(2)だけで,もう原発は,火力や水力をこえていちばん高い電源になってしまう。これでは原発を推進できないので,勝手にコストの範囲を狭くして,数字をごまかしている。

◆原発のコストには,上記の他,
(3)事故コスト(最近の試算では福島第一原発の廃炉や賠償に21.5兆円と急膨張。日本の国家予算は100兆円ですよ),
(4)バックエンドコスト(使用済み核燃料の処理など,将来世代の負担),
(5)環境コスト(通常の運転でも生ずるトリチウムや希ガスなど環境汚染,温排水,労働者の被ばくなど),
(6)原子力防災コスト
などがある。

◆それぞれ詳しくみると切りがないので,原子力防災コストを概観する。国や地方自治体が,原子力規制委員会,防災危機管理課,防災安全課,原子力安全対策課などを設置して,電力会社が事故をおこしたときの対策を立てているが,費やす時間や人件費を積算すれば,結構な額になるはずだ。

◆京都府には原子力防災課があるが,何故,こんな部署が必要か。原子力防災課がもし原発の廃炉をめざして仕事をしているのなら,尊重されるべきだろう。しかし,今の状況を見ると,そうではなさそうだ。5/10に京都府庁に行った。関電・高浜原発の再稼働に反対に意思表示をして欲しいというのが,市民団体の要望であったが,声を聞こうとしない。あれでは,まるで関電がお漏らしをしたときにお世話をする下働きだ。府民の公僕ではなくて,関電の下僕になっているとしたら,行政の私物化も甚だしい。

 

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◆だいたい,火力発電防災課なんてものは存在しないのに,何故,原発には防災課が必要か。危険な湯沸かし遊びで金儲けをしたいという関電のために「どうぞどうぞ,気にしないで,どんどんおやりくださいね,面倒なことになったら,こちらで面倒をみさせてもらいますから」。こういう府知事なら,関電の下僕だよね。

◆避難計画は可能な限りつくってみれば良いと思うが,それと同時に,そんなものを必要としない社会をめざすのが,府民の生命と生活をまもる府知事,府庁公務員の役割だろう。関電に対し「もっと安全な方法でお湯を沸かしなさい」と言うのが,府民の公僕だろうし,府知事の政治的責任だろう。

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