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2009年11月23日 (月)

韓国の労働運動の「新しい方向の模索」

Kankoku

京都パート・非常勤ネットの学習会で,脇田滋先生 (龍谷大学) が「韓国の非正規労働者のたたかいに学ぶ!」という講演をされるというので,聞いてきた。

脇田先生のパワーポイントをプリントアウトしたレジメより。
 ↓↓
韓国の労働運動の「新しい方向の模索」
二つの方向。
①正社員,非正規の連帯の制度化
  産業別,地域別組合の活性化および相互支援。
  交渉の制度化。
  その他。
②新しい組織モデルの開発
  社会運動的組合主義(Social movement Unionism)の具体化。 
  社会保障システムの転換…企業福祉からの脱皮。
  その他。

やはりこれからの労働運動の方向は,こうなる。
しかし,日本では,まだここまではっきりとは出ていない。ナショナルセンターとして,企業別労組をどうしていくのかという方向性は出されていない。大きな枠組みの中で非正規問題の解決をめざしている韓国と,枠組みはそのままで,とりあえず個別に闘う日本と,違いは大きいと思った。

韓国では,企業別組合が非正規の闘いに障害になってきたこと,団体交渉で労働者の権利を向上させていくことの障害になってきたこと,日本のようになってしまう (ほんとだね) と言う危機感があって,企業別組合から産業別組合への移行が進められてきた。ナショナルセンターの民主総連は「非正規撤廃」,「産業別労働組合化」を実践してきた。2008年7月現在で約75%が産別化されたという。企業別労組を解散し,金属労組,金融労組,保健医療労組などとなっている。暫定的な企業支部 (企業支部にしても非正規を含めた支部,1社1支部でないといけない) から,地域支部 (地域組合) もつくっているとのこと。このままでは,企業別組合は世界中で完全に日本だけのものになってしまう。この面では,何とか世界標準(グローバルスタンダード)に転換したい。

そして,韓国の産別組織は,非正規撤廃なども掲げて,産別交渉を行っている。2007年には,日本よりすすんだ非正規職保護法が施行された。が,とくに大企業経営からの反発が大きく,闘いはすんなりすすんでいるわけではなさそうだ。

有期契約は解雇付き契約であって,「解雇は殺人だ,総雇用を保障せよ」,これが,今の韓国の非正規労働者の闘いのスローガン。

脇田先生は,最近は韓国とパワーポイントはまっているとのこと。
僕も時間があれば,韓国に行くのは無理にしても (せめて沖縄には行きたいが,まだ予定も立っていない),改めてパワーポイントは使ってみたいと思った。パワーポイントは,最近は高校生でもコンピュータリテラシーの授業で勉強する。意見の発表や主張には,便利そうだ。

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コメント

 このスローガンはいいですね。
 “有期契約は解雇付き契約であって,「解雇は殺人だ,総雇用を保障せよ」,これが,今の韓国の非正規労働者の闘いのスローガン”

 韓国は二本以上に非正規雇用が多いらしいですね。韓国の戦闘的な労働運動には学ぶ点が多いと思います。

投稿: cleanhead | 2009年11月24日 (火) 23時17分

「解雇は殺人だ。総雇用を保障せよ!」は、いいですね。日本でもはやらせたいスローガンですね。
 有期雇用を制度化した労働者派遣法は、「積み木崩し法だ。人生の将来設計を切断する稀代の悪法だ」と、東京新聞のコラムにありました。
 韓国の労働者が「非正規撤廃」なども掲げてたたかっている、というのは詳細はわかりませんが、おおいに注目に値すると思います。
 日本では、派遣という働き方を、つまりいつでも気軽に首を切れる派遣労働を制度化したのは「労働者派遣法」です。この稀代の悪法をなくし、非正規雇用を撤廃させたいですね。

投稿: softhat | 2009年11月25日 (水) 00時20分

 ある新聞に以下のような報告記事があった。あまりにもワンパターンだね。京都パート・非常勤ネットも,企業別パート労組の運動をこえる方向性はみえません。韓国並みへの道は遠い。
------------------------
賃金・権利・雇用保障を
京都非正規労働者がつどい

 「第5回京都パート・派遣労働者のつどい」が23日、京都市中京区で開催され、55人が参加し、非正規労働者の賃金・労働条件の改善、権利と雇用の保障を求めて交流しました。主催は京都パート・非常勤ネット。

 つどいでは、脇田滋・龍谷大教授が「韓国の非正規労働者のたたかいに学ぶ」と題して記念講演。90年代末の経済危機後に非正規雇用が急速に広がった韓国で、正規・非正規が連帯した運動が展開され、非正規職保護法制定(07年7月施行)など正規雇用化や労働条件の改善が進んだことを紹介しました。

 参加者からは、「良い番組をつくるため、当たり前のことが当たり前になる職場をつくろうとたたかい、この4年間に本社と関連会社で17人が直接雇用・正社員化できた」(民放労連京都放送労組)、「一時金は正規が1・5カ月なのに、短期パートは最高でも5000円。経営再建へパートも思いを共有できるよう格差を是正してほしい」(京大生協パート労組)などの声が出されました。

 参加者は、労働者派遣法の抜本改正や均等待遇、有期雇用の規制をめざすとりくみを広げようと呼びかける集会アピールを採択し、京都市内をパレードしました。

投稿: めいせい | 2009年11月26日 (木) 15時17分

はじめてこのブログにやってきました。
大分前記事のようですがコメントいたします。

企業別組合ではもうどうしようもないですね。
厚労省の統計など見ても今後更にパートタイム労働者と言われる労働者が増えます。
おっしゃるとおり産業単位での正規、非正規の枠を取り払った組織、ネットワークの強化が必要ですね。
戦略を持って地道に色んな人と繋がっていかないと。

投稿: 浜名 | 2014年12月29日 (月) 14時14分

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