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2009年11月21日 (土)

地理の編集者のために ■ [8]

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高校地理,中学地理,小学5年など
「地理」の学習参考書の編集者のために

[8] 図版や写真について
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(01)解像度

 ①画面画像の低いデータで印刷すると,解像度不足でぼける。

 ②Web上の画像,画面画像などを利用する場合は,解像度に注意。

 ③133線で印刷する本の紙面では,250~300DPIが必要。

 ④モニター上の画像の解像度は72または96DPIなので,
  紙面で使う寸法との関係で調整する。

  (以下,1インチ=3センチで計算)
  (例)
   72DPIのモニター上で
   (モニターの解像度は,ふつう,画面のプロパティで確認できる),
   ・300×200ミリの画像を紙面で75ミリ×50ミリに使うなら,
     288DPIになるので,OK。
   ・ 80 × 40ミリの画像を紙面で40ミリ×20ミリに使うなら,
     144DPIしかないので,NG。
   ・ 80 × 40ミリの画像を288DPIで使うと,20ミリ×10ミリになる。
     極小=NG。

 ⑤解像度が足りない場合は,
  高解像度のデータを送ってもらうように依頼する。

 ・Webでは,表示スピードをアップさせるため解像度を落とすのが,普通。

(02)デジタルカメラ

 ①デジタルカメラのデータを使うときも,解像度に注意しないと,
  仕上がりでぼけてしまう。

 ②432万画素のカメラで撮った写真を,300DPIで表現すると,
  およそ24cm×18cmくらいになる。

 ③1200万画素のカメラなら,およそ40cm×30cmくらいのサイズで
  300DPIの印刷ができる。
  つまり,1000万画素クラスのカメラなら,
  学習参考書の中で使う場合,十分な解像度のデータがある。

(03)写真やイラスト画像の収集

 ①フォトエイジェンシー…ストックフォト販売業者。
 ・以下の②~④に比べて,手間がかからない。ただし,代金が必要。
 ・最近は,インターネット上で検索できるところもあり,ひじょうに便利。

 ②トヨタ自動車,京セラなどの大メーカー
 ・広報部などで無料で写真を貸してくれることが多い。
 ・ただし,事前に原稿を見せてくれとか,言われることがある。
 ・原稿を見せて,写真を断られることはまずない。コメントを付けてくることはある。

 ③地方自治体,公共的な施設
 ・広報部などで無料で写真を貸してくれることが多い。

 ④インターネットで検索した写真
 ・本に使用するときは,了承をとることが必要。
 ・クレジットを入れ本を贈呈するだけで無料の場合がある。
  コスト的に有利だが,手間はかかる。
 ・手間はかかるが,フォトエイジェンシーにはないような,
  貴重な写真が入手できることがある。

 ⑤インターネットのWebなどの画面画像

 ・本に使用するときは,著作権上,了承が必要。

(04)カラー写真を使うときのサイズ

 ①サイズが小さいと,高い値段を払って使う割りに出来映えが悪くなる。

 ②経験上,最低でも40ミリ四方くらいは必要。
  単純な内容なら30ミリでも良いかな?
  40ミリより小さいサイズは,見劣りする。
  60ミリとかあると,迫力が出てくる。

 ③小口やノド,天や地のアキをいっぱいに使い,
  タチキリなどで,できるだけ大きくする。

(05)バックに色アミがあるところに図版を乗せる場合

 ①印刷した図版の白い部分は,白色の場合と,透明の場合とがある。
  見ただけでは,分からない。図版を作成したソフト上では,確認できる。

 ②透明の場合,バックに色アミがあると,その色アミの色が生きてくるので,
  白い部分を白色に塗っておくことが必要になる
  (イラストレータに指示する)。

(06)PCモニターの画面を図版にするには

 ①画面全体を図版にするには,PrintScreenキーをおす。

 ②アクティブなWindowsのみを図版にするには,Alt+PrintScreenキーをおす。
 ・画像データがクリップボードに転送されているので,
 ・画像処理ソフト,ワープロソフトなどを開いて,編集→貼り付け。
 ・そのソフトで,ファイル→名前をつけて保存。jpeg形式などで。

 ③Windowsでお勧めのフリーソフト。窓の杜などで検索すれば出てくる。
 ・画像処理ソフト…JTrim
 ・画像閲覧ソフト…Vix

(07)図版の指示,図版作成の基準

 ①図版の記号の付け方
 ・ページ数を使う場合は,桁数をそろえておく。
 ・本冊の図版の記号は,8-A,10-A ではなくて,
  008-A,010-A というように,桁数をそろえておく。
 ・別冊の図版の記号は,
  アナログ時代のような別5-A,別12-A などではなくて,
  905-A,912-A というように。

 ②図版ワク(アタリ)と,図版キャプションは,本文として組んでおく。
 ・その図版ワクはアタリであって,
  図版を入れるための概略の位置を示すのみ。
 ・図版に外ワクがあるかどうかは,それぞれの図版によって異なる。
 ・統計の出典と年次は,図版の中に入れる
  (重版時に手間がかからないように)。

 ③図版の外ワク線
 ・外ワク線が必要ない場合は,発注時に必ずそのように指示しておく。
 ・発注先によって線の太さが異なると,見た目が悪い。

 ④円グラフ,折れ線グラフなど統計グラフの原稿
 ・最初に図版原稿を作成し寸法を確定してから,文字の原稿を整理すること。
 ・4ミリ方眼紙に,図版の概略を書く。
 ・文字は1ますに1字で書いておく。
 ・その文字は16Qなので,この三分の二くらいの寸法にすると,ちょうどよい。
  (図版中の文字は,本文より1~2Q小さめにすると良い)
  (本文がだいたい12~13Qなので,図版の文字がそれよりも
   やや小さくなるから)
  (ただし,本文の文字の大きさとの関係で,適宜,調整は必要とされる)
 ・できあがった原稿で,それを3分の2にすると,図版寸法となる。

 ⑤地図の原稿
 ・文字の大きさや量と,全体のサイズのバランスが難しい。
 ・これまでの本の地図を見て図版寸法を決めるのが,現実的。

 ⑥図版寸法と,原稿の字数行数との対照表をつくっておく
 ・図版寸法が決まると,それが原稿上で,何字何行か,すぐに分かるように。
 ・図版寸法が決まれば,図版原稿を後回しにし,
  本文を先にすることも可能になる。

 ⑦対照表…13Q↓26H,13Q↓22H,13Q↓20H,12Q↓20Hなど各種。
 ・そのつど,作成して増やしていけば,あとは使い回しができる。
 ・電卓の定数計算の機能を使えば,すぐにできる。端数は小さめに四捨五入。

 (例)13Q↓26H 
  左右3字…10ミリ,天地3行…16ミリ
  左右4字…13ミリ,天地4行…23ミリ
  左右5字…16ミリ,天地5行…29ミリ
  左右6字…20ミリ,天地6行…36ミリ
  左右7字…23ミリ,天地7行…42ミリ
  左右8字…26ミリ,天地8行…49ミリ
  左右 字…   ミリ,天地 行…  ミリ
 (左右は13H分=3.25ミリずつ,天地は26H6.5ミリ分ずつ,足していく)

 ・たとえば,図版寸法が,左右26ミリ×天地42ミリになったならば,
  上の表から,原稿用紙上で,8字×7行と分かる。
 ・図版と文字との間のアキは,2字分とする。
  1字分だと詰まった感じになる。

 ⑧図版の原稿作成,発注時には,基準を決めておいて,
  イラストレータに渡す。
 ・図版によって,文字の大きさがまちまちだと,見た目が悪い。
 ・以下は,高校もの4色の参考書(例1)と,
  小学もの1色の問題集(例2)の基準の例。

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(例1)高校もの4色参考書の場合

 [1] 基本的に添付の旧図と同様な感じに仕上げる。4色=カラー。
 [2] 白い部分は,「白」を塗ってください。
   透明のままでは,地アミの色が入ってしまう。
 [3] データは,MAC…EPS。プレビュー形式は1bitIBMにする。
   プレビュー形式は,印刷所から指定された場合には
   イラストレータに連絡。
 [4] 色や文字の大きさの基準(指定外はBL100)
   図版中の主たる文字は,本文の文字より2Qほど小さめにする。

 (1)線の太さ…目安。
  ①外ワク線
   0.15ミリ
  ②岸線
   0.13ミリ(小さい図はやや細く,大きい図は太め)
  ③経緯線
   0.1ミリ
 (2)地 図
  ①岸線,経緯線,川筋線
   C100
  ②川,湖,海
   水面はC10,但し狭いところはC20(さらに狭いところはC30)
   名称は8Q太明斜体=C100
  ③陸
   Y20+M10 または,Y20+C10
  ④国名
   11Q新ゴM,M100+C50
  ⑤スケールや経緯度
   8Q太明
  ⑥国境線
   破線で示す。
   カシミールなどの不画定地域は,点線で示す。
  ⑦都市名
   10Q~9Qの中ゴ
  ⑧凡例の文字
   9Q~8Qの中ゴ
  ⑨中心的な文字(タイトル的な文字)
   11Q太ゴ~10Q新ゴM
  ⑩但し書き,補注
   8Q中ゴ

 (3)統計図(グラフ)
  ①各品目とか国名
   10Q太ゴ
  ②%数字
   9Q中ゴ
  ③合計部分
   10Q中ゴ
  ④年次
   9Q中ゴ
  ⑤出典
   8Q太明
  ⑥中心的な文字(タイトル的な文字)
   11Q太ゴまたは10Q新ゴM
  ⑦単位などのスケール
   9Q中ゴ

 (4)問題図
  ( )付き,○付き数字
     11Q太ゴ(ビブロス外字)
   A B…,a b…など記号
     11Q太ゴ
   アイ…,あい…など記号
     11Q太ゴ
 (5)雨温図
  ①雨量や気温のスケール
   9Q中ゴ
  ②合計や平均数字
   10Q太ゴ
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 (例2)小学もの1色問題集の場合

 ・MACのEPSファイル。
 ・スミ1色。
 ・問題図は,基本的に出題校の出題図のまま,再現するのが,基本。
 ・以下の指定は,図の大きさなどにより,適宜変更してください。

 ①ア,イ,ウ…,A,B,C…,a,b,c…,1,2,3…,など,
  記号,番号
  13Q新ゴM,ただし数字は半角のものを使ってください。
 ②図1,図2…
  13Q太G,数字半角,「図」と「1」など数字との間,半角アキ
 ③図の内容を表すタイトルの文字
  12Q新ゴM
 ④中心的なメインの文字,グラフの国名や品名など
  11Q太G
 ⑤図の凡例,グラフなどの合計の数字
  10Q太G
 ⑥グラフの%数字,内訳の数字
 ⑦折れ線グラフや棒グラフ,雨温図などのスケール
 ⑧統計の年次
  以上,10Q中G
 ⑨統計の出典
 ⑩図や統計の注釈の文字
  以上,10QリュウミンM
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以下,
[9] 索引について
へ続く。

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