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2008年3月10日 (月)

私たちは,どうして個人加盟に移行したのか。

(1)少数だから移行という無理解

・3/8に「08春闘関西交流会議」があった。その中で,文英堂労組や中央図書労組が,どうして個人加盟ユニオンに移行したのか,少し説明した方がよい場面があったが,主要なテーマとの関係もあって,十分には説明しなかった。

・この点については,労連の中でも,「少数になったから」と断定する説明から,「少数になったこともあって」などと,やや問題意識を含ませるものまで,いろいろなレベルがある。

・旧文英堂労組でも旧中央図書労組でも,確かに少数になっていた状況,背景はあるが,それだから移行したというだけの説明は,正しくない。

・企業内で少数になると,確かに,単組を維持するのは難しくなってくるし,寂しくもなる。それでユニオンに移行したからといって,すぐに自動的に新しい展望が見えてくるわけではない。どういう状況であっても,労働組合の組織と運動を考えていかないと,個人加盟に移行したからといっても,それでどうなったの?でお終いだろう。

・現在,労連には企業内で少数になった単組をユニオンに移行させる方針もあるが,新しい運動をつくっていくことを基本にしないと,形だけ移行はしても,旧単組として解散・消滅していくのと変わりない結果が待ちうけているだろう。ユニオンの中でも,こうした議論によって,新しい移行組を新しい組合員にしていくことが求められていると思う。

・ただ,もう一つ,誤解を招かないように付け加えれば,「企業別組合は,新しい運動をつくっていく決意がない限り,ユニオンに移行するな」,という意味ではない。ユニオンに移行しても,新しい展望を開こうという方向性がなければ,企業別組合のまま解散・消滅していくのと,未来に変わりがない。三役のなり手がないからといってユニオンに移行しても,ユニオンの誰かが,三役を替わってくれるわけではない。

・労働相談やトラブルなどを経て,はじめからユニオンに加入したいわゆるプロパーの組合員とちがって,単組から移行した組合員は,それなりの経験や技能,資金も持っているわけで,個人加盟ユニオンの運動を広げる上で責任があり,その責任を果たすように求められて,当然だろう。企業別単組から移行して,活動の場が広がった,別の面で忙しくなった,自然にそうなった,それがあるべき姿と思う。

(2)「春闘」で悪循環!

・企業内の労働条件に終始する「春闘」では,要求が実現するような労使関係,経済状況が崩壊したとき,展望がなくなる。
・労働条件の向上だけに「こだわる」要求,団交では,目に見える成果がなくなると,運動が衰退する。

・交渉のために,経営側の財務諸表に目を向けるようになると,その土俵の中でしか考えられなくなる。
・経営の土俵の中でしか要求ができなくなり,財務諸表の中でしか交渉ができなくなる。

・経営側から財務諸表がとれない組合は,ますます交渉が困難になるように思わされ,焦りを深める。財務諸表なんか無くても団交に何の不自由もない。経営に財務諸表を出させることは,組合が目的にしなければならない課題ではない。

・組合員の関心が低下し,結集が低下してくると,引き留めのために,ますます「ものとり」へ埋没する。

・企業状況に応じて相手の土俵に入り込みすぎると,外が見えないたこつぼへ。産別の日程から離れ,産別の運動や提起に参加しなくなる。地協委員会に出てこなくなる。

・要求への「こだわり」に組合員を結集させたり,若手の関心をひくために「ものとり」へ集中すると,ますます運動の輝きがなくなる。

・こうした「春闘」の構造を見直す方向へ進まないと,困難と分散の悪循環に陥る。いつまで経っても展望が見えなくなる「春闘」は,もう止めたい。要求はとれなくても,取り組みがいのある,新しい展望が見えるような,そういう運動をつくっていきたい。職場別,企業別の交渉は,当面は(歴史的な制約上から)続けざるをえないにしても,それを相対化できるような運動にしていきたい。

(3)少数で当たり前!

・文英堂では,職場で多数派をめざす運動を30数年間続けてきたが,どうだったのか。
→少数派のまま。東京支社では,昨2007年秋で組合員がゼロになった。

・なぜ,多数派になれなかったのか。
→経営の敵視労務政策。
 (現在でも,……)
→労働組合運動の社会的な衰退。
 (労働戦線の再編,地労委や中労委の委員の偏向任命)
→労働組合の奮闘による労働条件の相対的な向上。
 (一定,働きやすい職場の実現)
→査定による賃金決定の強行導入。
 (団交による集団的賃金決定システムの崩壊)

・ユニオン・ショップ大企業労組と官公労を除けば,日本では,労働組合がないか,少数派で普通。

・少数で当たり前!と,居直って,少数派にふさわしい組織と運動は何か,考えたほうがよい。少数派の目的は,多数派になること,これは止めよう。
 ↓
・企業別組合や合同労組分会ではなく,個人加盟労組へ。
・企業別や分会別の堅い団結よりも,社会的な広い連帯へ。

・企業別組合から脱すれば,職場内における組合加入のハードルは低くなるかな,という期待も若干あったが,それは間違った期待であった。労働組合を必要としているレベルからみると,文英堂の職場は,まだまだ恵まれているというわけだ。

(4)拠点は企業の外に!

・労働組合運動の拠点は企業の外におく。企業の外側で運動の核を形成し,維持する。 (ここは,京都支部の結成のときにとくに強調したと思う。)

・企業の経営状況にしばられた思考から,労働者全体を視野に入れた自由な発想へ。

・職場の力関係に依存した運動から,社会的な運動へ。

(5)「統一と団結」に疑問符!

・合同労組的分会でも企業別組合でも,過大に強調される「統一と団結」は,ときに「分裂」「除名」などの問題をひきおこし,運動の阻害要因になる。

・「統一と団結」よりも,より広い緩やかな「連帯」のために,組合員個人の自主的,自発的な判断が当然視され,「連帯と共闘」の拡大が中心となる組織と運動へ。

・個人加盟労組の組合員の自主性の発揮のために,所属支部や課題の選択を自由に。

(将来的には,支部の見直しが求められる。この点は別項→SNS「なかまネット」の日記=2/13「支部を考え直してみると」。)

(6)人材を経営にも!

・小規模の経営では,労使関係などの条件によっては,少数の組合員の中からも,経営をになう人材を派遣しなければならない。この問題は少数の企業別組合では,困難きわまる選択になりかねない。企業の枠を越えて組織するユニオンでは,支え合う,力を出せるところで力を出し合う,これも連帯。
 

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