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2008年3月 5日 (水)

08春闘関西交流会議(3/8)に提出するアンケート回答

              by 京都の飛んでる二人組(3/5)

(1) 経営に対して,要求へのこだわりをどう表現し,主張していますか?

 以下,各質問について必要に応じて「①経営に要求を出さない職場の場合」と,「②経営に要求を出す職場の場合」に分けて,回答したいと思います。ユニオン京都では,現在,それぞれ二つずつの職場があります。

①経営に要求を出さない職場の場合…出版情報関連ユニオンでは,組合員は必ず職場で要求を出して経営者と交渉するとは限りません。ユニオン全体で見ると,経営に要求を出すのは,むしろ少数です。こうした職場の組合員にとって,春闘とは何か,どういう運動が求められているのか,引き続きさらに議論して,広い合意形成が必要です。こうした組合員に対して,一律に,経営に要求を出すことを求めることはできません。

 以下のように,個別経営を相手にしないで,社会的な要求をかかげた春闘も考えられます。ナショナルセンター,出版労連の運動とともに,ユニオンとして取り組めるようになるといいと思います。
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(1) いのちと健康
 ①「社会保障」でいのちと健康の防衛
  ・生活保護の食料費の減額に反対
  ・生活保護の母子加算,老齢加算の廃止に反対
  ・国民健康保険証の取り上げに反対
  ・寒冷地の灯油代の補助
  ・ネットカフェ難民を公営住宅に
(2) 社会的な労働条件の向上
 ②残業…法定率支払いの遵守。三六協定の遵守。
 ③雇用…若者の非正規雇用を,正規採用へ
 ④最賃…全国一律最低賃金の確立,時給1000円。
(3) 労働政策に関する政治課題
  …労働者の生活と権利に結びついた,
  政策・制度要求。
 ⑤パート労働法…均等待遇の実現。
 ⑥労働者派遣法…日雇い派遣の禁止,ピンハネ率の公開
 ⑦男女共同参画社会基本法…
  アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)の具体化
 ⑧男女雇用機会均等法…間接差別の是正,罰則強化
 ⑨労働基準法…労働時間規制の実現
 ⑩ILO諸条約の早期,完全批准
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②経営に要求を出す職場の場合…ユニオンでは,経営に要求を出すのは150職場の中で10%以下しかありません。要求へのこだわりは,たいてい「職場の総意である。」と表現,主張します。

(2) 出版労連のいくつかの指標(ユニオンの指標も含む)をどのように活用していますか?

①経営に要求を出さない職場の場合…ユニオンのミニマム,スタンダードの指標は,労働条件の底割れを防ぐための出版労働基準として,出版産業全体に広げることが求められています。ただし,ユニオンの指標は,未完成です。

②経営に要求を出す職場の場合…労連の指標は,要求基準として意識しつつ,要求討議の参考にします。ただし,尊重すべき大きな目標として,参考にするのみです。ユニオンの指標は,要求基準ではありませんが,職場点検の労働基準として,それを下回るものは職場の状況に応じて順次,要求化していくことになります。

(3) 当該経営の財務状況をどのように掴み,分析していますか?

・職場ごとに事情が異なります。経営数字をつかむことは,労使関係に大きく依存するので,すべての職場の獲得目標にすることはできません。
・企業規模が小さければ,正式な数字は分からなくても,状況はかなりつかむことが可能な場合もあります。
・仕事上で分かる範囲の数字のみで,「財務」は無理,分析は不可能で,状況もほとんど不明ということも,珍しくありません。

(4) (3)のことを踏まえて,組合員への教宣はどうしていますか?
  また,経営に対してはどのように迫っていくつもりですか?(不況宣伝に負けないために!)

①経営に要求を出さない職場の場合…質問が無意味。

②経営に要求を出す職場の場合
・組合員が少数の場合,組合員へ「教宣」する必要性は小さい。
・財務状況が不明な経営に対しては,組合の要求を述べるだけ(単純反復)。経営数字を明らかにせよと主張するだけ。それ以外に手だてはありません。

(5) 要求に対する経営の対応や主張は具体的にどのようなことが予想されますか?
 (賃上げ/一時金/均等待遇関連要求/諸要求 などの項目ごとに)

①経営に要求を出さない職場の場合…質問が無意味。

②経営に要求を出す職場の場合
・文英堂,中央図書の職場とも,経営トップに聞く耳なし。基本的にすべての項目について拒否,敵視が明白です。
・会社側団交団が,愛想よく付き合ってくれるか,無愛想で空疎な対応に終始するかというような相違はあります。団交のとき以外でも,日常の窓口などにおいても同様です。ただし,このことは,相違が小さいという意味ではありません。トップが決して団交に出てこない中,その代理人である会社側交渉団長が,労使関係を何とかしたいと思っているとか,どうしようもないのだが分かってね,という思いを持っているのか,それとも,労使関係のことなどこれっぽっちも考えていなくて,トップの言いなり,その盾になってトップへの口撃を防ぐのが自分の任務と心得ているのか,そういった違いです。人間としての誠意とか,人間性の相違です。それは,すぐに伝わってきます。
・そういった点において,組合側の物言いも変わってきて当然です。

(6) (5)のことに対し,組合側はどう反論(追及)するつもりですか?

①経営に要求を出さない職場の場合…質問が無意味。

②経営に要求を出す職場の場合…会社側団交団の人間性に応じて,ある場合は,組合の主張を理解してもらうように説明して,説得します。ときには,経営を批判します。また,ある場合には徹底的に罵倒します。

(7) 組合員に対して,状況認識等の周知徹底や闘争への結集をどのようにしようと考えていますか?(団体交渉の報告・教宣での工夫など)

①経営に要求を出さない職場の場合…質問が無意味。

②経営に要求を出す職場の場合
・組合員が少数なので,回答内容は,メールや電話で連絡します。その他の内容を周知するような特別の手だては,必要がありません。
・また,毎年,交渉の中味に変化がありませんので,とくに急いで周知しなければならないような内容は発生しません。交渉内容は,連絡の必要もないくらいです。前回と同様,昨年と同様ですみます。

(8) 組合側の戦術で考えていることを具体的に示してください。(できればスケジュールも)

 (例えば啓林では通常,後述のような取り組みをしていますが,これらの戦術や取り組みを含む闘争スケジュールが計画されているのであればお示しください。ストライキ/腕章/ビラ・ステッカー貼り/朝ビラ配布/団交・団交傍聴/報告集会/出張拒否・社外勤務拒否・残業拒否/決定権者(バック経営)への働きかけ(一筆啓上・寄せ書きなど))

①経営に要求を出さない職場の場合…質問が無意味。出版情報関連ユニオンとしては,経営に要求を出さない職場の組合員をふくめた,組合運動(春闘などをふくめ)の構築が求められていると思います。

②経営に要求を出す職場の場合…戦術,ありません。定型的な戦術行使でどうこうなる状況ではありません。また,整列して戦術がとれるような状況でもありません。

・中央図書と文英堂…形式的には経営に要求を出していますが,実際は,要求を出していないのと,あまり変わりありません。そういう意味で,春闘とは何か,毎年,問われ続けています。春闘の団交は,せいぜい1~3回。組合側3~5人がやっとの数。団交傍聴,はるか昔の話です。典型的な不誠実団交で,話はかみ合いません。会社側団交団は,経営トップに雇われた代理人なので,何の交渉権も決定権もありません。団交拒否を避けるためだけに,時間つぶしに出てきます。しかし,それでも,職場によって多少は異なるカラーがあります。現在の文英堂ではとくに会社側の対応が悪く,会社側交渉団長は,何も言うまいと決意して出てきている感じをうけます。

・また,ユニオン京都で経営に要求を出す職場の場合,職場では組合員が少数でその中に営業部員が多くいますので,通常は1~2名が在社するのみです。そのため,職場で日常的に組合活動を展開するといったことは難しいのが実情です。

・その各職場1~2名の社内組は,まず,会社に対する窓口,郵便物やビラ文書の仕分け配布整理,アンケートや署名要請などの処理回覧管理,組合掲示板の管理(最近,メインはWebに移行),内外への諸連絡(会社の電話,FAX,Mailは使用不可),地区労(南地区労,北上地区労とそれぞれ)との対応,争議支援物販の事務処理,職場討議の設定運営,組合費の集金といった,いわば「単組」的な機能を担当しています。

・ほかに,ユニオン京都支部として,社内組は,支部運営(レジメ,企画など),労働相談(レジメ,方針案など),WebやSNSの管理,組合費の記帳管理送金,活動費や交通費などの支払い管理送金,預金通帳の管理,地協委員兼務などを担当しています。外勤組は多いといっても,それぞれ2~5名です。出社日を中心に,中執活動,地協委の運営,MIC幹事,ユニオン支部委員,印刷出版ネット幹事などを担当し,各種の企画や行事の設定,各方面との折衝などに力を発揮しています。

・以上のような活動の積み重ねが,ユニオン京都の組合員における春闘であり,秋年闘となっています。経営を相手にした団体交渉や戦術行使などによる要求へのこだわり,要求実現にむけた組合員の結集をめざした闘いといった側面からみた春闘,秋年闘ということでは,言うべきこと,書くべきことは,ほとんどありません。

・文英堂…数年前まで,おもに社内組の担当で,朝夕の組合旗の出入れ(田舎では夜に紛失)と会社との対応,腕章着用と会社との対応,朝ビラの作成と設定(配布は外勤組をふくめて),アンケートの作成配布集約を行ってきました。懐かしい戦術!それはもうありません。

・ストライキ…ユニオンの組合員は一人職場が多くあり,京都支部でも少数派ですから,ストライキを打ったとしても,それは,休暇と変わりありません。仕事の遅れは自分で始末しなければなりません。ですから,ストライキは,国民的な課題が明白であるとき(例えば,憲法改正とか),ナショナルセンターの大規模な呼びかけ(労働法制の問題とか),行動提起までを含んだ産別の指令などの場合しか,事実上,意味がないと思います。スト権投票は,組合員としての意思表明です。

(9) 若手の意識状況の把握と分析をどのようにしていますか? また,08春闘への参画意識をどのように醸成しようとしていますか?

・質問の意味が不明です。若手の結集や参画意識が課題になっているのは,そこに組合運動上の問題点があるという意味でしょうか。問題点の想像がつきません。

(10) 08春闘を通しての団結上の獲得目標をどこに設定していますか?

①経営に要求を出さない職場の場合…団結上の課題は,春闘ではなく,別の形でつねに追及しなければならない課題だと思います。

②経営に要求を出す職場の場合…特別に,春闘を通して獲得を目指すような団結上の目標はありません。ただ,組合員に対しては,できればローカルセンターやMIC,市民団体や社会運動上の各種の取り組みに参加するよう訴えたいと思っています。職場で団交に参加したり,待機したり,といった,いわゆる春闘の活動よりも,職場外の社会運動に触れることのほうが,はるかに団結上また連帯を広げるという意味でも意義があると思っています。現在の労働運動の中には,社会的な運動があまりも少なくて,さまざまな社会運動に参加できる機会がありません。それでよいのか,いつも疑問に思っています。

(11) 非組合員や非正規の人に向けた取り組みは具体的に計画していますか?

①経営に要求を出さない職場の場合…生命と健康,雇用と社会保障,人間らしい生活と労働の基本に関わる部分で,差し迫って大きな問題を抱えている非組合員や非正規労働者を対象にした労働相談などの取り組みは,社会的な課題です。そうした運動の形成,拡大が求められています。そういう取り組みを積極的に展開できるようになりたいと思います。

②経営に要求を出す職場の場合…組合の要求,おもな文書,団交経過などは,ユニオン京都のWebに掲載しています。非組合員や非正規労働者で,自分の職場のことを知りたい人は,検索すれば簡単に調べることができます。そうするようにという訴えは,これまでからしてきています。

・企業規模の小さい職場や,非組合員が多く組合員の少ない職場では,朝ビラ,アンケートなどのサービス的な測面のある活動は,提供する側の負担が大きくなります。知りたくないのか,ビラをもらっても,そのまま机の横のゴミ箱に捨てるだけの人もいます。アンケートの機会があっても提出しない人もいて,それは,沈黙と人間関係の拒否です。職場の中を見ない,読まない,考えないという態度で,現状を追認するだけの生き方,狭い範囲の自分の快適さだけを最優先するような生き方に対して,組合(員)ができることは,何もありません。そういった生き方は,一定,恵まれた職場環境にいることの反映でもあると思います。

(12) 出版共済拡大についてどのような取り組みをしてきましたか? (今後はどうですか?)

・3/21の京都支部ミーティングにて,説明会の時間をとります。東京から担当中執がお見えになる予定です。

(13) 他の単組等に訊いてみたいことなどがあればご自由にご記入ください。

・どこかに訊いてみたいということではありません。
質問に「など」とありますので,議論の素材として書いてみました。

[1] 出版労連の春闘において,版元の各職場で獲得した賃上げや一時金は,取次などのワーキングプアとよばれる下層労働者の賃金に対して,どういう形でプラスの影響をもたらすのでしょうか。

[2] 各職場において,労連の指標を大事にし,要求にこだわり,経営の財務状況をつかんだ上で,経営に対して組合の主張を展開する,そして,若手をはじめ全組合員の結集をはかりつつ強力な戦術を行使して要求獲得のための’08春闘を闘えば,現代社会で深刻化する格差,貧困の問題を解決できるのでしょうか。

 

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