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2008年2月 6日 (水)

どういう春闘が求められている状況か。

2008.2.14 / 出版労連・臨時大会に向けて

(1)
 現代社会には,貧困と無法が広がっています。それは,比較的恵まれた出版労連の組合員の状況とは,まったくレベルが異なっています。安定した雇用の元で,経営者に生活苦を訴え,その改善のために交渉する場を持っているのは,いまやワーキングリッチです。そうした企業内の要求運動,環境改善運動で,ワーキングプアが広がる社会状況に,何らかのプラスの影響を及ぼすことができるでしょうか。
(2)
 今回の労連春闘方針(案)の中でいちばん問題だと思うのは,均等待遇の扱いです。6ページからです。「調査を充実させましょう。より具体的な要求をつくり,運動を強めましょう。」とあり,女性,非正規雇用労働者,派遣社員,フリーランスと分けて踏み込んだのはよいと思う。しかし,課題は,職場内の取り組みや,経営者に要求して交渉する課題に限定されています。決定的に欠落しているのは,非正規や派遣はユニオンへ,フリーランスはネッツへ,広く迎え入れることによって,均等待遇の社会的な流れを大きくしていこうという視点ではないでしょうか。
(3)
 出版産業の周辺にいる労働者を,ユニオンやネッツの中に迎え入れる課題がなおざりになっています。昨年7月の定期大会時に配布された労連『一般報告・資料集』の「活動日誌」からみると,
・「憲法・教育基本法」関連の活動…年間合計で80回,参加人数延べ2073人です。
・出版労連6000人の3分の1が参加しています。
・それに対して「組織拡大」のフラワービラは,どうでしょうか。
・年間合計で11回,参加人数延べ147人です。
・未加盟組合オルグの年間2回,参加人数延べ53人を加えても,13回, 200人 にとどまります。
    ・「憲法・教育基本法」に比べて,10%ほどです。
・フラワービラ以外の工夫された取り組みが2つだけ見えます。しかし,ひじょうに貧弱です。
   ・7/ 6未組織宣伝行動(ブックフェア)…12人。
   ・3/23大学卒業式宣伝行動(九段下)……2人。
・この3/23の記載も特徴的です。
・この日,教科書共闘は,200人の「動員」をしています。
   ・啓林館社前要請行動… 92人。
   ・開隆堂社前要請行動…101人。
・同じ日,組織拡大・大学卒業式宣伝行動が行われていますが,じつに2人だけ。
・教科書共闘の「動員」200人のわずか1%でしかない。誤植でしょうか。
・狭い範囲の利益を求める春闘に,教科書共闘が大きな力を集中している一方で,
・労連の組織活動は,その1%の規模。
・教科書共闘さかえて,労連滅ぶ。
(4)
 憲法で労働三権を保障された労働組合には,その大きな権利に伴う特別の責任と義務があります。何でも自分の職場の経営者に要求するだけ,こんな企業別組合の要求運動で,労働組合の社会的な責任と義務を果たせるでしょうか,これからはそこが問われると思います。ワーキングプアが広がる社会状況と切り結ぶことのできる春闘を,どう構築していくか,それが私たちの課題だと思います。

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