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2008年1月 2日 (水)

2008年お正月風景

 僕の家に毎年,年賀状を送ってくれる町の小さな電器屋さん,「年始は7日から営業させていただきます」と書いてある。まあ,以前ならこれが普通であった。

 しかし一方で,全国チェーンの大型電器店が,元日から店を開いているとなると,その違いが際だってくる。こちらのほうが便利といえば便利そうであるが,考えてみれば,元日からとくに買わなければならない電器製品はない。電器店のような店(生鮮品,日用品でないものをおもに扱う)が,客の少ない元日から開店するには,経営者の意のままに従業員を動員できる体制があることを示している。「正月から開店しても客は来ませんよ」と言う従業員も,中にはいるかもしれないが,近隣の大型店同志の競争が激しくなっているときには,多くの従業員も競争に巻き込まれているのだろう。結局,平常通りの勤務となるわけで,おそらく朝(元旦)も慌ただしく出勤してきたに相違ない。

 7日から営業の小さな電器屋さんは,もう,そういう競争には参加しないと決めているわけだ。そんな店が生き残れると良いと思う。が,実際は全国チェーンの大型電器店がますます猖獗を極めている。

 コンビニは,以前から年中無休を看板にしていたが,現在は,ショッピングセンター,飲食店も元日から営業する店が増えている。そういう所で働く従業員は,パート,アルバイトなどが多く,経営者が「来年からは,うちも元日から開店することにした」と言えば,その方針に従わざるを得ない。労働組合があって,年末年始休暇5日間などと要求し,交渉しているような職場はあまりないのだろう。

 黙って従わざるをえない立場の従業員は,お正月の朝にあるはずのお屠蘇もお雑煮もおせち料理もなく,いつもの朝食をかきこんで,あたふたと職場に向かうことになる。スーパーのパートで働くお母さんが,元日も朝7時前から仕事に出かけると,子どもにも元旦はない。

 年末年始休暇5日間を実現し,元旦のお屠蘇もお雑煮もおせち料理もゆっくりいただける人は,初詣の帰りにショッピングセンターに寄り道してから,昼食は,よりどりみどりの飲食店で食べる。そうした飲食店では,「おめでとうございます。いらっしゃいませ!」と“笑顔”で迎える仕事をしている労働者がいるわけで,元日から働いている人と,元日から開いている店のサービスを享受する中流(以上)の人とが,くっきりと分かれている。そして,年収とか時間賃金を比べてみると,おそらく元日から働いている人の方が低いだろう。

 年末も年始もなく仕事をかかえている労働者にとって,大晦日やお正月,お屠蘇やお雑煮やおせち料理は,自分自身の生活の中ではなくて,テレビとそれを録画したビデオの中に,中流(以上)生活の夢として存在しているのだろう。

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